artの最近のブログ記事

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11日は、打ち合わせ後、夕方の新幹線で名古屋へ。先週オープンしたというレストランで、和装デザイナーのカワイさん、広告代理店の松下さんと三人で食事。カワイさんも絡んだと言う「へうげもの」展の話から「日本的なもの」の話へ。お二人は頭が柔らかい方で、安易な日本文化礼賛に話題は流れず、中国史の話も入りつつ、盛り上がる。

12日は名古屋の住宅の現場で、施主打ち合わせ。基礎が打上がり、敷地にプランが浮かび上がっている。中庭のオリーブの木を中心としたプラン...いや、中心となっているどころか、トイレ/階段室/玄関を含めた、全ての部屋が実直なまでに中庭に向かっている(2階では、3つのベッドルームが中庭を介して向かい合う)。派手さはないけれど、良い建物になりそうだ。夕方の新幹線で東京へ。

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オープニングは大盛況でした。いらして下さった皆様、ありがとう御座いました。

また北京に来てしまった...。寒い。今回のフライトは先月就航したユナイテッド便を利用した。日曜日の成田は思いのほか混んでいて、ユナイテッド航空は顧客クラス毎にガッチリとグレード分けされているため、キャンペーン格安チケットの私は一番長い列に並ばなければならない。イライラしながら並んでいたら、後ろに並んでいた学生さんが荷物が限度を超過しそうなので一緒にチェックインしたいという。断る理由も無いのでOKし、その後並びながら雑談していた。

彼女は、北京の中央音楽学院に二胡奏者として留学中なのだという。へぇ!凄いねぇ!と感心しながら、以前から興味のあった二胡について色々聞いているうちに、チェックインの番になった。彼女と別れて飛行機に乗り、ユルユルと考えるうちに色んな疑問が湧いてきた。

二胡は、その名の通り2本の弦をもち、その2本の弦の間に弓が通り、知恵のワみたいな構造になっている。基本的に単音を出す楽器なんだから、ヴァイオリンみたいに弓と本体が別々になっていても良いような気がするのだが、どうして一体化しているのだろうか?とか、じゃあ持ち運ぶ時にはどうしているの?とか。チューニングはどうなっているの?、とか(確かDとAだと言っていた)、演奏時はどういう風にホールドしているの?、とか...

特に最後の質問には興味がある。楽器は、もちろん音色の問題もあるのだろうけれど、できるだけカラダにフィットし、固定できるように形が変化してきている。カラダに固定することで、楽器を支える手間が省け、演奏の自由度が上がる。歴史上有名なテクニシャン・ヴァイオリニスト、パガニーニが活躍していた時代は、ヴァイオリンをアゴに固定する「アゴあて」がまだ発明されていない時代だった。もちろん、今演奏できるのも十分凄い事だが、パガニーニがアゴあて無しにあの曲を弾いていた、というのが驚異なんだそうだ。一方、二胡はカラダから楽器が離れているように見える。思いっきりボウイングすると楽器がクルクル廻ってしまう気がするのだけれど、どうやってるんだろう...?

色々質問したかったが、到着後は二人とも急いでいたため、結局聞けずじまいだった。彼女は来年卒業し、帰国して演奏活動に力を入れると言っていた。演奏会の折にはぜひ呼んでもらえるようにお願いしたので、その時にでも尋ねる機会があればいいなぁ。

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11/4(wed.)に、私共が関わった「ミヅマアートギャラリー」の新スペースがオープンします。オープニングレセプションは18:00から。皆様お誘い合わせの上ぜひお越し下さい。くわしくはこちら

...といっても、工事はまだ一部を残している。中国でしか手に入らない材料や、中国で加工した方がはるかに安いものなどを、北京で買い集めて東京に持ち帰る。施工は我々で行う部分もある。オーナーの三潴さんは「大先生自ら最後にタッチアップかぁ」と笑ってらっしゃるが...いやはや、オープン直前までドキドキは続きそうだ。

北京の会田さん

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秋の北京は良い季節。春は黄砂を含んだ風が吹くので、唯一良い季節と言ってもいい。この季節に合わせて日本からいらっしゃるお客さんが多く、週に一回は誰かしら北京のアートエリアを案内している。草場地のMizuma&One Galleryで会田誠さんが公開製作中、という話をすると、皆さん一様に行きたがる。そのかいもあって、製作の進捗を見る事ができている。

昨日は、北京の行きつけのバーのオーナーと共に、差し入れの焼酎と日本製の缶ビールを持って行って来た。4時過ぎだったのだが、会田さんは袋の中の缶ビールを見るなり、「一緒に飲もうって事だよね」と作業を切り上げ、飲み会モードに突入してしまった。2週間ほど前までは、見る度に絵が進化し、製作がガンガン進んでいる感じがあったのだが、今回は前回とあまり代わり映えがしなかった。あんまり変わってない気がするんですが...、と聞いたところ、「いやー、わかっちゃった?」と、ここのところ進捗が思わしくない事を教えてくれた。1月の日本での展覧会に出品予定だが、間に合わないかもしれない...ひょっとして日本に持ち帰って完成させることになるかもしれないとの事。でも、やっぱり、この絵の完成は北京で祝いたいなぁ...。

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本気にする中国人のお客さんが居るらしい。

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東京フォト

本日から6日まで、日本で初めての写真専門のアートフェア、「東京フォト」が六本木で開催されています。昨日、プレビューに誘って頂いたので行って来ましたが、すいません、写真を撮ってくるのを忘れちゃいました。

第1回ということで小さな会場だったが、展示に適度な密度感があって、コンパクトに纏まった良い展示だった。特別展示も、参加ギャラリーも一流どころで見応えがある。中国のアートフェアにありがちな、大風呂敷広げ過ぎちゃいました!的な空虚さがない。「ブース」という考え方を敢えて廃した空間構成も面白い。中国で行われるような大規模なアートフェアや見本市を見過ぎた僕のような人間には、なかなか出て来ない発想だ。

東京フォト代表の原田さんは、昔、音楽絡みで何度か遊んだ事があって、その後連絡が途絶えていたが、先日Facebookで突然繋がり、会場にて約10年ぶりにお会いする事になった。10年前、建築の本を貸して、そのままになっていたのだが、それを見るたびに思い出してくれていたとの事。僕の方も、「あの本を見たいな」と思う度に、彼の事を思い出していたが、まさか、アートフェアをオーガナイズしているとは夢にも思わなかった。伺った所によると、数年前に写真の魅力に取り付かれ、写真専門のアートフェアの開設を思い立ったらしい。刺激的な再会だった。

日曜日まで。


(クリックで拡大)

また日本へ戻っています。来週の月曜日には北京へ再び向かいます。

名古屋にて、ある経営者の方と話をしていた時に、建築設計業やデザイン業のつらさ、みたいな話になった。技術の進歩が著しい分野、たとえば生産システムの開発等では、頻繁にシステムをアップデートする必要がある。また、システムに不具合が出た場合は、生産ラインが止まってしまうので、納品後もメンテナンス契約を結ぶことになる。利益としては薄いかもしれないが、そういった仕事のお陰で、経営が安定するんだよな、それにひきかえデザインは仕事を取り続けなきゃならんもんなぁ、つらいよなぁ、そんな話だった。

もちろん、建物の設計にしたってアフターサービスはある。自分の設計した建物の近くに行く機会があれば、立ち寄る機会を作るし、施主から緊急連絡があれば飛んで行く。幸い、僕が設計した建物で深刻なクレームが出た事は無いが、クレームとは行かないまでもココはもうちょっと使いやすくしたい、そんな要望を受ける事は多い。まあ大抵の場合、無償での対応になるので、お金が入ってくる事はない。でも、そういう時は、完全に施主のモノになってしまった場所に入る、貴重な機会にもなる。

去年竣工したMizuma & One Galleryさんには、展覧会のたび、オープニングに呼んで頂いている。作家の方に直接お話を伺うのは非常に楽しい経験だし、なにより、自分が関わった空間が展覧会で活用されているのをみるのは嬉しい。

木村了子さんの 「Born to be Wild / 覚醒吧!野性」展は、通関でトラブっていた作品がようやく届き、完全な状態での展示になった。木村さん御自身は、模型まで作成して会場構成を考えたと仰っていたが、そのかいあって、ムリ/ムダ/ムラのない美しい会場構成になっている。会期は今週末までとの事なので、ぜひ足をお運び下さい。

その次の展覧会は、8月29日から。ミヅマアートギャラリーさんのスター作家の一人、会田誠さんの公開製作が予定されている。3m×7mの巨大な----日本のサラリーマンの死体とOA機器が累々と重なり合って灰色の山を成し、遠目には日本の伝統画の構成になっているーーそんな絵なんだそうだ(上の画像はその部分エスキース)。2年前の個展で発表されたスクール水着姿の少女達の「滝の絵」も、ここで同時に完成させるとの事。日本で同じ事をやったら大騒ぎになって製作どころじゃなくなりそうだ。会田さん御自身は「出来上がるまで帰れない。朝から晩まで淡々と描き続け、盛り上がりなどない。『写経』に近い、根気勝負の世界。」と言っているそうで、完成予定(目標?)は11月末頃との事。レセプションパーティーは完成時に行われる。

草場地のユルく流れる時間の中、どうやってこの絵が完成してゆくのか、時間を見つけて通おうと思っている。

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カルト的な人気を誇る「昭和新宿系」建築家、渡邊洋治。このニッキでも何度か紹介させて頂いている。決して美しいわけでもなく、時代を感じさせる明確なコンセプトがあるわけでもなく、テクニックがあるわけでもない。ただただドロドロとした情念とエネルギーが渦巻いている作品群。鬼才、という呼び名がこれほど似合う人も居ないのではないだろうか。

渡邊氏のドローイングを管理されている佐藤さんから、「第5スカイビルの解体前の写真が見つかった」と、スキャンしたデータを送って頂いた。第5スカイビルは、「軍艦マンション」こと第3スカイビルほど有名な作品ではないが、渡邊氏らしい特異な外観をもつ。傾斜し、頂部に動物の頭のような櫓が飛び出る前面、ウロコのようにバルコニーが連続する背面、建物から跳ね出すボイラーの煙突...。生物的、しかし柔らかさはない。アルマジロのように甲冑をまとった生物を連想する。

写真は24枚ある。入口のシャッターは下り、人気はない。解体前の記録として、フィルムの1ロールを使い切ったものだろう。画角からは、撮ったのは設計者であることが窺える。ひょっとしたら渡邊氏御自身かもしれない。(追記:第五スカイビルの解体時期は今のところ不詳。ビル自体は1971年竣工で渡邊氏は1983年に没しているが、写真を見る限り、建物は20年は経過しているように見受けられる。そのため、残念ながら撮影者が渡邊氏である可能性はとても低い。)

所有者の許可が頂けたので、24枚全てを掲載します。写真の経年変化も「味」だと思って御覧下さい。昭和だねぇ...

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北京は草場地のMizuma & One Galleryにて、木村了子さんの個展「Born to be Wild / 覚醒吧!野性」が本日より「仮」オープンしています。

通関トラブルで海外からの搬送が間に合わず、北京に保管してあった2点のみでのオープニングとなってしまったそうだ。木村さん御自身は、お話しした限りでは飄々としてらしたが、今回は北京での個展のために特別に製作した作品もあるとの事で、心中はさぞ残念な思いをされているだろう。

とはいえ、今ある作品もかなりの大作で、ギャラリー内は寂しい感じはない。中国の展覧会はスカスカのものが多いので、「こういう展覧会か」と納得して帰って行ったお客さんも多かったそうだ。

作品が届き次第、仕切り直してもう一度オープニングを行うとの事。中国ではこのようなトラブルが頻発する。長く中国でやっていると悟りの境地に達し、「今日来た人達も、もう一度来てくれる!一粒で二度美味しい!」とポジティブシンキングできるようになる。良いのか悪いのか。

木村さんの作品は、いわゆる「イケメン」達のセクシーな姿を、日本の伝統的な技法で描き出したもの。女性から見た「男の性」を垣間みる事ができて、男の目から見ても面白い。

8月の終わりからは、会田誠さんがギャラリーで公開製作を行う予定だ。原案を見せて頂いたけれども、迫力ある作品で、製作中から大きな反響を呼ぶ事だろう。自分が設計した空間で、こういった活動が行われているのを見るのは、本当にうれしい。

上野。

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昨日の飛行機は、天候不良で結局2時間近く遅れて到着。飛行機は揺れに揺れた。ヒューンヒューンとジェットコースターのように落っこちてゆく感じで、アテンダントの人達が飛ばされないか心配になるくらいだった。荷物を受け取り、走って成田空港発の京成線最終に滑り込む。麻布十番に着いたころには日付が変わっていた。

今日の午後は上野へ。ここへくるたび、上野発の夜行列車〜♪のフレーズが頭をよぎる。なんだか物悲しい感じがするんだよな。

上野の森美術館で行われている「ネオテニー」展へ。この展覧会は、日本の現代アートのコレクターの精神科医、高橋先生のコレクションから、約80点を展示したもの。へえ、これもコレクションなのか、と驚く程、メディアで紹介されてきたものばかり。着いた時には、鴻池朋子さんのアーティストトークの最中だった。

ミヅマアートギャラリーの所属作家の作品を、ギャラリーオーナーの三潴さん自身が解説するとの事で、作品の裏話等を輪に混じって聴く。作家を発見した時のエピソードや、会田誠さんの「紐育空爆之図」を「伴大納言絵巻」や狩野永徳の「洛中洛外図屏風」、俵屋宗達などを引き合いに出して語る少々アカデミックな話もあった。高騰する現代アートと軽視されがちな日本の古美術、その格差に対する疑問などにも及んだ一連の話は、大変示唆に富んでいて面白かった。展覧会は大変盛況だった。会期はあと2週間強。密度の高い展覧会なので時間のある方は是非。

喫茶店にて、三潴さんと軽く北京関係の打ち合わせをした後、久しぶりの上野をうろつく。活気あるのになぜか物悲しい、その理由を探す。東京駅にしたって、北京駅にしたって、大都市を去って行ってしまうという物悲しさが漂っているけれど、上野はそれが街全体を包み込んでいる。北国へ帰るためのターミナル、という特性故か、なんか演歌なんだよなぁ。ウラジオストック駅とか、ハルピン駅も同じ空気が漂っているのだろうか、などと考える。

ヨドバシカメラに寄り、オリンパスのペン、デジタル版のサンプルを触る。良い質感だけれど、やっぱ、昔のペンFの、微妙な流線型のボディ方がもっとカッコいいよな。日本のプロダクト・デザインの珠玉の名作で、デジタル一辺倒になってしまった今でも欲しいカメラだ。

アメ横を通り抜けて上野御徒町から戻る。以降、メールの返事、明日の名古屋での打ち合わせの準備など。

世界へ

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入口はディズニーランド風。色んな建築様式のミクスチャー。

ひょんな事から、北京の「世界公園」ツアーに誘われて行ってきた。ジャ・ジャンクー監督の映画「世界」の舞台になったテーマパークだ。この公園で働く若者達の青春を、淡々と、しかし情味あふれる映像で描く映画で、この公園も機会を見つけて行ってみたいなぁ、と思っていた。

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映画にも出てくる桂離宮。劣化コピーだが、1分の1。あやしげなキモノで撮影することもできる。そこそこ人気もあって。日本は、公園の中でも扱いが大きい。

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白く見えるのはタージマハール。

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アンコールワットの前で記念撮影する観光客。

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同行した人が、遊びにくる、っていうよりは写真を撮りに来てる、って感じだよね、といっていたが、まさにそのとおりで、全員が全員、そこら中で写真を撮りまくっている。何度か書いているが、中国の人達は写真が本当に好きだ。昔の日本人も、海外では首からカメラをぶら下げた姿で、風刺画に登場していたのを思い出す。

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オセアニア。イースター島とシドニーオペラハウスが並んでいる。モアイ達は少々角張った顔をしている気が。スケールをもうちょっと揃えて欲しいよなぁ。

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万里の長城。ホンモノが近くにあるだけに、再現度は高い。ていうか、車で2時間程度で行けるのに、ここにコピーする必要があるのかな。あるんだろうなぁ。

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結婚記念写真を撮るカップルが3−4組居た。レフ板、メイクさん、カメラマンを引き連れて、かなり本格的。写真はフォトショップなどで加工され、製本される。これは台湾発のカルチャーらしい。中国の若者の話を聞いていると、婚前に行われる写真の撮影旅行の方が、新婚旅行よりも重視されているようだ。

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このカップルは親戚も引き連れていた。お嫁さんは、顔を見る限り、たぶん新疆ウイグルとかそっちの方の人で、チープなイミテーションの世界で撮るのが勿体ないくらいの美女だった。あの旦那はないよねぇ、お金持ちなのかねぇ、とか見る方は好き勝手言っていた。

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お約束。松原弘典さんの「北京論」によると、映画の中のエッフェル塔のシーンは深圳の「世界の窓」で撮られているらしい。向うはエレベーター付きの立派なものだが、こちらは梯子や急な階段で登って行く、少々しょぼいもの。上に登るのに別途15元が必要。200円以上ですよ。上の眺望なんてたかが知れている。日本の金銭感覚からいっても高い。

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マンハッタンは、一応島になっていた。ウォルドーフ・アストリア、ロックフェラー・センター、クライスラー・ビル、エンパイア・ステート・ビルに加え、ワールドトレードセンターもある。ガラス部分は真っ青に塗られている。WTCって白いイメージがあるんだけど…まあ、実物を見た事無い人が作っているものだから仕方がない。

映画「世界」のファンの人は、行ってみると良いと思う。あの映画の中の若者達が抱えている、閉塞感とか、せつなさとかは、このチープなイミテーションの世界でしか表現できない。昔の日本にも、こんなのあったよなぁ、と、感慨にふけったり、このユルい世界にツッコミを入れつつ楽しむのもあるかもしれない。でも、入場料65元は少々高いかなぁ。

映画と言えば、最近、「スラムドッグ$ミリオネア」を観た。少々長めだが、良い時間を過ごしたなぁ、と思える映画。おすすめです。

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北京論―10の都市文化案内

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んだそうです。レッド・カーペットの上では。

とある中国の業界誌の編集の人から、創刊5周年記念の特別号のポートレート撮影があるからと誘われた。なんでも、「この5年間に中国○○業界の発展に貢献した○○人!」という記事なんだそうだ。僕は、その業界の製品には、どちらかと言えばお世話になっている方だけれども、発展に寄与したというほどでもない。きっと、誌面上、ちょっとはガイジンが居ないとカッコつかないのかな、と思った。「うむー、一人くらいガイジンが居た方が良いわね、彼、顔はまんま中国人なのが残念だけど、来そうだから呼んでおこうかしら」おおかたそんな所だろう。

断るべきか逡巡したが、そういえば、キチンとポートレイトを撮影した事がない事を思い出した。彼女には大変お世話になっているし、「プロのメーキャップで、プロのカメラマンが撮るのよ!後でデータをあげるわよ!全部タダなのよ!」と強く薦められた事もあり、一生に一度くらいはフラッシュを浴びるのも悪くないかなと、OKした。

スーツ、カジュアル、夏物、3種類くらいを持ってきてね!という事で、仕事の合間を縫って、服をカバンに詰め込んで出かけた。着いて、メーキャップ。何をやっているかはよく分からないが、このデカく、平たい顔に立体感を出すのは並大抵の事ではないだろうな、なんて考えながら目をつぶる。

続いて撮影。撮られるのに慣れてないせいか、カメラマンやスタッフからバンバン指示が飛ぶ。背筋を伸ばして!(僕は姿勢が悪い)、ネクタイ直して!、顔が傾いてる!、もっと笑って!、笑い過ぎ!、目をもっと大きく開けて!(僕は目が小さい)…

だいたい、笑う時って目を細めるもんじゃないの?目を開けながら微笑むのって難しい。頑張って顔を作ると、「笑顔が自然でない!」と怒られるし。カメラの前で顔を作り続けるセレブって本当に凄いと思った。途中で何度もメゲそうになりながら、なんとか終了。ついでにと、普通号の方に掲載予定の物件に関するインタビューを受け、急ぎ足で進行中の工事現場へ向かった。

中国人、特に女性は、カメラに向かってポーズを取る事が得意だ。次に撮影を受けていた女性(同業者らしい)も、もともと美人なのもあるけれど、メーク、服装、表情、ポーズ、全てがキマッていた。すごーい!キュート!とカメラを向けると、僕にも視線を送ってくれた。堂々としたものだ。

でも、撮った写真はブレブレでした。ごめんなさい。そして、こんなのが同じ誌面に載ってごめんなさい。

例の火災以降、アクセスが増えている。技術的な見解(というか推測)については、前回のエントリのコメント欄に書いているので、そちらを御参照下さい。

別用で実家に電話をかけたところ、当然のようにこの火災の話になり「どうするの、あんな煙突みたいな吹抜けを作って!」となぜか怒られた。日本のテレビ等でも、僕がここで書いた事と同様の推測がされているらしい。今後、中国に限らず、超高層の吹き抜けには厳しい規制がかかる事だろう。仕方がない事ではあるが、日本の耐震偽装事件の後のように、一部の特殊なケースに合わせすぎて建築業界全体が停滞する事態は避けたいものだ。海外には客室が大きな吹抜けに面するホテルが数多くある。ガラス張りのエレベーターでそこを登っていく高揚感が全くなくなってしまうのは寂しい。

亡くなった消防隊員の方にはお悔やみ申し上げるが、多数の人名が奪われる大惨事にならなくて本当に良かった。でも、仮にオープン後で人が居たならば、初期消火で消し止められ、これほど大きな経済損失にはならなかったかもしれない。また、シャッターが作動して、煙突が形成されるのが避けられたかもしれない。不謹慎は承知の上だが、現段階では、設計や施工のミスというよりも、色々とアンラッキーが重なって起こり、拡大した火事だと思っている。

くだらない関連ニュースとしては、
こんなコラや、こんなTシャツが出て来ているとスタッフが教えてくれた。
・「大火災のビルのデザイナーはマギー・チャンの恋人のドイツ人著名建築家!」みたいな記事まで出てきた。いろいろと突っ込みどころ満載だが、くだらなすぎて突っ込む気にもならない。

ある友人は、9.11とアメリカの世紀の終焉になぞらえて、「僕らのスター、レム・クールハースの時代の終焉」と日記に書きつけていた。確かに、建築を勉強した同じ世代の人間にとっては、それくらいのインパクトがある事件だ。では、次は、一体どこへ向かうのか。いろいろ考えさせられる。

この火災関連のニッキは、少なくとも原因とメカニズムがハッキリするまでお休みとします。次回からは愉快な?ニッキに戻ります。

Mizuma & One Gallery / 天欲 | INSTINCT

来る2月14日(土)より、私共が内装を設計しました北京/草場地のMizuma & One Galleryにて、展覧会「天欲 | INSTINCT」展が開幕します。ミヅマアートギャラリー所属の若い日本人作家達によるグループ・ショーです。オープニング・レセプションは14:00〜18:00となっています。今回の展覧会、私は何かをやったわけではありませんが、レセプション時には会場に居るかと存じますので、どうぞ皆様お誘い合わせの上お越し下さい。

天欲 INSTINCT----Japanese Contemporary Art Group Show

参加作家:KYOTARO、櫻井りえこ、谷口ナツコ、三宅玄朗、宮崎勇次郎
会期:2009.2.14 (土) − 3.22 (日)
オープニングレセプション:2.14(土)14:00−18:00
Hours:水-日 10:00-18:00
(Closed on National Holidays, Mon. & Tues. for Appointment Only)

Information:
Tel:+86-10-5127-3267
Fax:+86-10-5127-3268
E-mail: info@mizuma-one.com

MIZUMA & ONE GALLERY 三潴画廊
No.241-15 Cao Chang Di, Art-Zone Chaoyang Dist, Beijing 100015, CHINA

詳しくはこちらまで。


そういえば、先のジュン・グエン=ハツシバ展のこちらの写真ですが、私が撮影したものが一部含まれています。オープニングに出かける時に、ふと、三脚が目に留まり、久しぶりに据えてみるか!と手持ちのコンパクトカメラで撮ったものですが…公式資料に使われるんならもっとちゃんと撮れば良かった。

オノボリさん

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1月31日、もう1月も終わりか。
昨日、中国の施主から、奥様へのプレゼント用の化粧品を頼まれていたのを思い出した。「35歳、乾燥肌、資生堂、予算は2000元程度」とのシンプルな要望。お世話になっている方なので、しらばっくれる訳にも行かない。友人にお願いして、銀座三越の化粧品コーナーに付き添ってもらう。凄い混雑で、不景気が嘘のよう。ただ、あちらこちらから中国語が聞こえる…ワイワイ叫んでいる意味がわかるのは、嬉しくもあるが、なんだか複雑な心境である。店員の人は勝手知ったる感じで、色々見繕ってくれた。買い物はあっけないほど簡単に終了。

買い物をしている時に、施主から、資生堂ギャラリーの展示を見るように言われていた事を思い出し、資生堂パーラー地下の「シセイドウ・アートエッグ/宮永愛子展」へ。ナフタリンで象られた様々な物が、プラスチックに封じ込められながらも少しずつ、文字通り「昇華」していく、というインスタレーション。明日まで。現代の時代感覚を色濃く反映している。このところの世界の激変に伴って、この感覚もシフトしていってしまうのかもしれないのだけれども。ひょっとしたら、その感覚のはかなさすらも表現されているのかもしれないのだけれども。

前から行ってみたかった2階の喫茶店へ。美味しいケーキを食べるのは久しぶり。内装も頑張っている。けれど、もうちょっと予算的に頑張って、ちょっとしたホテルの喫茶店に行った方が優雅な時間が過ごせるかもなぁ、と感じた。その後、暫く見ない間に様変わりした銀座/有楽町/八重洲界隈をうろつく。H&Mとか、スウォッチ、ティファニーなど。たぶん、まだ、中国にはない直営店に立ち寄って観察する。

もう一つ、前から行ってみたかった銀座ライオンの7丁目店へ。今年で開店75年だそうだ。設計は大正〜昭和初期に活躍した建築家、菅原栄蔵。その作風は「ライト風」と言われる事が多かったという。確かに、ライト的なモチーフは随所に見られるが、全体としてはライトのような繊細さは希薄な、力強い造形。職人の手垢を残すタイリングは、ドイツ中世のギルドの仕事を見るかのようだ。ドイツ表現主義か。建築史専門の方からは怒られそうだけれど、ドイツ・ゴシック・リバイバル風表現主義とでも言えばいいんだろうか。ビールと言えばドイツ、そのドイツ風のデザインに向けた努力が伺える。料理はシンプルで、ビヤホールだしこんなもんだろうな、という感じだが、なんと言っても、今では到底施工不可能な内装が醸し出す雰囲気が抜群にいい。ビールの味も、こんなに日本のビールって美味しかったっけ、と思うほど素晴らしかった。温度と入れ方でこんなに変わるもんなんだねぇ。

完全にオノボリさんな夕方。まあ、実際北京から来たオノボリさんなんだから仕方がない。銀座自体もオノボリさん向けの街になっている。地方やアジアからの観光客の比率は相当なもんだろう。経済のグローバル化は、特徴ある街を無個性にしていく、というような批判があったが、むしろ逆かもしれない。テーマパーク化し、オノボリさんを吸引していく、という方が正しいのではないか。それぞれに特徴があり、海外や地方からのアクセスが比較的良い東京東部の繁華街ではそれが著しい。秋葉原なんて、観光客ばっかりなんでしょう?最近行ってないけどさ。


偽装するニッポン―公共施設のディズニーランダゼイション

ちょっと古い本だけれど、この本では、竹下内閣下の「ふるさと創生」をきっかけに、地方自治体がディズニーランド化してしまったと説く。もちろん、上で書いているニュアンスとは少々異なるが、地方も、都心の繁華街もテーマパーク化しているとしたら、日本全体がテーマパークになっちゃってるということになる。観光資源とは一体何か、というのをもう一度考える時期に来ているのかもしれない。


趣都の誕生―萌える都市アキハバラ (幻冬舎文庫)

秋葉原といえばこんな本も。増補しているとは知りませんでした。

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壁画モザイク。カウンターの両端にライトの旧帝国ホテルのものに似た噴水がある。

2月危機説、どうなるか

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1月30日
朝、午後の打ち合わせの準備、図面と書類をPDFで送り、事前に目を通しておいてもらう。こういう時に便利だよなぁ、今話題のインターネットって奴は。午後1時半から目黒近辺で打ち合わせ、午後3時から新宿近辺へ移動して打ち合わせ、夜7時からはその近くのドトールで打ち合わせ。その後、施主と食事して帰宅。途中、森美術館の展覧会に立ち寄ろうと思うが、下から見上げたら展望室の辺りがガスっており、日を改める事にする。やっぱ、東京シティビュー見たいじゃない?一人でもさ。
代わりにツタヤに行ってプロジェクトのための資料購入。コーヒーを啜りながら帰ってからも、アマゾンで資料を探す。

ニュースでは、識者が「中国2月危機説」を唱えていた。2月2日に春節休みが終わり、人々が大挙して大都市に戻ることになるが、仕事が無い。行き場を失った非正規労働者や、内定の貰えていない学生達が暴動を起こし、一挙に社会不安になるという説だ。さて、どうなるか。僕は、そんなありきたりのストーリー通りにはならないと思うな。

最近読んだ石川好「中国という難問」では、今、巷に出回っている殆どの中国崩壊論は外れるだろう、それほど中国は大きく、広く、深く、多い…虫の目と鳥の目を同時にもたなならん、というような事が書いてある。多少なりとも中国を知る者は、この話に概ね同意するのではないか。僕自身、プロジェクト毎に色々と予測を織り込みながら仕事をしている訳だけれども、その予測が当たったためしがない。皮肉な事に、そんな予測と格闘する姿が、中国人の施主を感心させる事になり、結果仕事をもらう、というケースが多い。

新建築の12月号では、構造家の川口衛氏が、北京の「鳥の巣」の構造の不合理性を説き、エネルギーの蕩尽を憂いていた。エンジニアの立場からの、敬意を払うべき意見ではあるが、その次の号の林昌二氏の「月評」が面白かった。いやいや、有事に備えて、ああいう形で鉄鋼を備蓄しているのかもしれないよ、隣国の大人の考える事は、小国の日本人からは想像つかないよ、というのである。中国のメンツを立てる為に、「将来リサイクルすれば良いじゃん」的な論理で、膨大な鉄鋼の浪費が許可される…あり得る、というか、やりかねない。林さんの想像力の逞しさに感心した。

もうすぐ12時。春節明けに、期待半分、不安半分。

中国という難問 (生活人新書)

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1月27日
概ね寝倒す。久しぶりに寝たいだけ寝る。午後から実家で作業後、夜10時、高校の同級生と呑むために今池へ。彼は、僕の父が他界した時に、夜通し一緒に蝋燭の番をやってくれた人物でもある。当時、僕も若かったし、いろいろ重なってつらい時期でもあった。一人、暗く、広大な本堂の前庭でぼうっとしている時に、一升瓶を持って現れたその姿に救われる思いだった。親友、と呼ぶと嫌がるようなヘンクツな男ではあるが、それ以来、名古屋へ帰る時には極力会うようにしている。
名古屋の夜は早いが、朝までやっている飲み屋もある。2軒ハシゴして、朝5時。当然タクシー以外帰る手段はないし、36歳のオッサンなので始発を待つ元気も無い。友人の提案でカプセルホテルに泊まる事にする。人生で2回目のカプセル宿泊。結婚式、喫茶店のモーニングなど、「名古屋の○○は凄い」としばしば言われるが、充実した施設に驚く。風呂だけで7種類くらいあったか。一通り浸かってからカプセルに入り、記憶を失う。

1月28日
カプセルで目覚めると10時前。もう一度風呂に入り、朝食を取って実家へ。中学高校と通学に利用したバスに乗り帰宅。バスの本数が劇的に減っているのと、乗客が老人ばかりなのに驚く。実家近くの商店街は寂れに寂れ、シャッター街になっていた。荷物を整理して名古屋駅へ。そこは賑わっていた。家族の「同じ店なら名古屋で買った方が店員が親切でいい」との忠告に従い、高島屋でセール品を買って新幹線で東京へ。一度事務所に戻ってから、ミヅマアートギャラリーの棚田康司「結ぶ少女」展のオープニングへ。途中、三潴さんとの打ち合わせを挟みつつ、鑑賞。ギャラリーの小振りな空間に作品が注意深く配置されており、展示の密度は贅沢さすらある。「一木造り」で作られた彫刻をポキンと折ってしまわないかとドキドキするくらい。棚田さんは、作品のナチュラルさとは裏腹に、侠気のある爽やかな人物で、前回北京にいらした時の礼を言われる。そんな、僕は何にもしてないです、と思いながらもファンになってしまう。2次会のお誘いを受けて参加、その後、スタッフの方と恵比寿の「盆栽や」で呑み、「一風堂」のラーメンを食べて帰る。こんなに暴飲暴食していたら死んでしまう。中国に戻ったら雲水のような生活をしてカラダを浄化しなければ。注意:恵比寿のラーメン店「あふり」は水曜休みです。

1月29日
起床後、翌日の打ち合わせに備えた作業+帳簿関係。麻布十番の本屋で数冊。夜、休肝日と決めていたのに少々呑んでしまう。中国では断酒しなければ。東京滞在中にあと2回はプールに行きたい。現在午前0時30分。

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今年の春節は1月26日。年の瀬だ。今進行中のプロジェクトでは、年内中に上層部の承認を取り付けるために、モックアップの製作が急ピッチで進められている。なかなかのクオリティーだ。承認が出れば、春節後に同じものが50基以上、作られる事になる。

世界を吹き荒れる不況の嵐。中国だって無関係ではないどころか、むしろ影響は深刻なはずなのだが、北京の人々はいたって強気だ。銀行は大手の事業体に対しても貸し渋り、資金繰りが悪化して工事を停止しているディベロッパーも多いが、その当のディベロッパー達も、政府の緩和政策が功を奏して春先には復調すると読んでいると聞く。日本の投資マインドが、世界で一番「マシな」状況の中で冷え込みまくっているのとはえらく対照的だ。良いか悪いかはさておき。

バブルな状況を呈していたアートの世界はどうなるか。798芸術区も、どこそこが撤退するとかどうとか、良からぬ噂が飛び交っているようだ。やばいよなぁ、そりゃあんな状況はいつまでも続かないよなぁ、なくなっちゃうのかなぁ、なんて思っていたが、先日、UCCAのDior展を見て、多少楽観的な意見に変わった。この展覧会、もちろん経済ショックの前に企画されたものだろうが、質、量共に素晴らしいものだった。798には、施設的にも、人材的にも、既に、UCCAという核が出来上がっていると感じた。プラットフォームが確立された以上、去年ほどの盛り上がりは無いにせよ、芸術区はエスタブシッリュされた形で残っていくだろうと思う。春先のアートフェアが開かれる頃には、もう少し状況がハッキリするのではないか。

肝心の建築設計の仕事はどうなるか。短期的には、これまた、ディベロッパー達のいう春先を待つほか無いが、中長期的には、かなり厳しい状況が待ち構えているのではないか、と思う。中国のディベロッパー達は、成熟し、プロ化してゆくフェーズに入っている。本来、不動産会社の物件は、分厚い仕様書によってがんじがらめにされ、それに従えばほぼ自動的に空間が決まってしまうというような性質のものだ。そんな凄まじいプロフェッショナルな世界で、比較的経験の少ない建築家達が仕事ができていたのは、中国経済の勃興だけが理由ではない。やはり、中国のディベロッパーが未熟だったという事が大きかったんだろう。事実、建築家を起用し続けてきた野心的なディベロッパー達も、最近は大規模な組織事務所へと発注先をシフトしていっている。ほとんどの個人事務所では、外装のパターンを弄くったり、テナントの内装や、小さな付属施設をデザインしたりするような仕事が中心になるだろう。これは、ディベロッパーと政府、ほぼ2種類のクライアントしかいない中国の市場ではかなり痛い。

若い設計者が、何万平米という物件を腕を振るってデザインする、という夢のような時代はとうに終わってしまっている。急いでこちらもプロ組織化するか、デザインを商品として売って行くか、政府系の仕事を取りに行くか、あるいは第3の道を探るか。まだまだ、他の国に比べてチャンスが多い場所ではあるけれど、今年は将来の身の振り方を考える年になるだろう。今は考えていないけれど、日本に拠点を戻す、という選択肢が浮上してくる可能性もある。まあ、なんとかなるさ。楽観的に構えてはいるけれど、フットワークは軽くしておいたほうがよさそうだ。エンジョイ・ザ・パーティ、ただし出口のそばでね。

春節に合わせ、1/22〜2/2の間、日本に戻ります。東京、名古屋に立ち寄る予定。刺身が食いたくて仕方がありません。

年末の近況

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渋谷の太郎。もう、東京の人にはすっかり珍しくないんだろうが、たまに帰る僕には新鮮なんですよ。それでも、ケータイで写真を撮っているオジサマ、オバサマが沢山居た。

東京では、不況話を色々聞いた。建築設計の世界は特に深刻なようだ。若い世代の建築家に中規模のマンションやオフィスを発注していた気鋭のディベロッパーがバタバタと倒産している。大概は黒字倒産で、銀行による融資が滞って倒産してしまった例が多いという。

世界中の状況を相対的にみると、日本の状況はかなりマシだ。バブル崩壊後の慎重な経営のお陰で、企業の財務体質は比較的健全だ。今、世界経済が実体経済に向かってシュリンクしてゆく過程にあるとするなら、アメリカと違って国内に産業が残っている日本は強い。それが今の円高に現れている。と、これは、最近話を聞いた経済アナリストの方の受け売りなんだけれど。

ただし、日本人は慎重で悲観的だ。過敏に反応して極端にマインドが冷え込んでしまうところがある。マスコミはそれを煽っているし…必要以上に暗いムードになっているんじゃないか。

とはいえ、最近はこの不況も先が見えてきたようだ。日本の報道やブログに、つい最近まで鳴りを潜めていた中国批判の記事が復活してきている。どうやら国外の事に目を向ける余裕が出てきたらしい。

日本に比べればかなーり不健全な体質の中国は、もちろん大変な事になっている。不動産投資というものは、住宅価格が下がり始めたら一気に破綻してしまう。北京の郊外や、地方都市ではディベロッパーが夜逃げしているらしい。設計事務所はディベロッパー関係の仕事をどんどん失っている。「東福もさ、ががーんと20人くらい雇ってさ、ガンガン仕事を取ってカネを儲けろよ。好きな建築は儲かってからやればいいんだよ」なんて調子のいい事を言っていた中国人経営者達は、今となっては僕の小さな事務所を羨ましがっている。社会の激変を幾度も味わってきた人達なだけあって、表情はまだ明るいけれど、暗いムードが漂いつつある。

僕だって、ドドーンと大きく始めたかった。でも、オリンピックの時期は仕事が無く、投資のタイミングを失っていただけだ。今では自分の機動力の無さに感謝している。幸い、現在は小さな事務所を食わせるだけの仕事はある。いや、むしろパンク寸前だ…新たに人を雇いたいけれど、日本人の冷え込みやすいマインドがそれを邪魔している。春節までは今の体制のまま乗り切るつもりだ。

美術館の仕事は、日本の雑誌向けの原稿を脱稿して、本当の本当に終了した。1月には、日本の書店にも雑誌がならぶ事になる。音楽関係の出版物は色々書いてきたけれども、実は、建築専門誌に書く機会はあまり無かった。単なる一担当者としてのテキストなんだけれど、ちょっと楽しみだ。

施主が、美術館建設までのドキュメンタリーを出版した。東福大輔は業者からのリベートを受け取らなかった!と、信頼のおける担当者として描かれている。受け取らなくて良かった(笑)。褒められていてコソバユイくらいだ。まあでも、自転車を盗まれたりとかドジな一面もしっかり書かれているんだけどね。

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今夜のイベント、来れる方は是非いらしてください。盛り上がりましょう。

いよいよオープン

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諸事情により仕事の話はあまり書いてこなかったが、そろそろ書いてもいい頃だろう。

10月18日、磯崎アトリエの担当者として、ここ5年近く取り組んできた中央美術学院の美術館がオープニングを迎える。過去の現場写真を眺めていると、ローカルや職人達との思い出が蘇る。といってもほとんどが怒鳴ったり怒鳴られたりした記憶。今でこそお互い笑って話せるが、まさに悲喜こもごもだった。

書いたスケッチや図面の数は、おそらく数千枚になると思う。数千カ所を検討したのではなく、全ての箇所で何度も試行錯誤したためにとてつもない量になってしまった。
「これ、できる?」
「うん、もちろんできる。簡単だ」
「やっぱりできない」
「なら、こうすればできるはずだ」
「やってみる」
「やっぱりできない」
そんなやり取りを幾度繰り返した事か。ローカルや施工の担当者は、辛抱強く付き合ってくれた…最後は「日本人建築家の仕事は二度とやりたくない」と笑いながら言われたが。

中国を代表する有名大学の付属施設、アートについて理解のある施主。ローカル達にも「こんなに恵まれた仕事は日本でもない、中国の限界を知る一生に一度のチャンスだ。粘れるだけ粘ろう」と言い聞かせ、似たような図面を何度も描き直させた。

しょっちゅう施主の元を訪れ、説得を試みた。粘りすぎて、施主から「東福、お前はよく頑張った。それは分かったから頼むから止めてくれ」とストップが入る事もしばしばだった。とはいえ、理解のある施主であることは確かで、僕の提案はかなり受け入れてもらえた。

正直、構造が上がり始めてからも、この建物は果たして完成するのだろうか?と半信半疑だった。工事がだいぶ進んで内装に入った頃、手持ち無沙汰の職人達がボーッと天井を眺めているのを見て、やっと、これは良い建物になる!という確信を得た。

4年もの間、中国的システムに対して愚痴りながらも、それを心のどこかで楽しんでいた。まあ、そのくらいの気構えでなくてはココでの仕事はできない。来たばかりの頃は、中国の建築生産のシステムが分からずにとまどうばかりだったが、試行錯誤を繰り返すうちに、中国でクオリティーの高い建物を作るコツが掴めてきた気がする。次からはもう少し効率的に仕事ができると信じたい。

いろいろ思い出されるなぁ。

…と、センチメンタルな気分に浸りたい所なのだが、オープニングが終わって一区切り付くまではまだまだ気の抜けない状況が続く。格好悪い家具を発注しないように目を光らせたり、雑誌の取材対応をしたり…まだ仕事は残っている。

つーか、オープニング本当に間に合うの?って状況なんですが…

雑誌発表の状況はこちらで紹介しています。日本の専門誌での発表はもう少し先になりそうです。最も一般向けだと思われるSANKEI EXPRESSの記事はこちら

今月の草場地

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9月10日から一週間ほど東京へ戻っていた。いくつかの打ち合わせをこなし、いくつかのパーティーに参加し、家族や友人と食事をし、ビザの申請や各種料金を払い込み、北京では買えないガジェットを買い込み、20日から始まるMizuma & One Gallery展覧会の進行状況を見届けるべく北京に舞い戻る。

ジュン・グエン=ハツシバさんの作品。上部に浮かぶ無数のペーパー・オブジェクト(1000個以上あるという)は、ヴェトナムの伝統的な副葬品。お盆の時等に燃やし、黄泉の国の死者へ贈るという。部屋は薄暗くされ、壁は全てブルーに塗られ、まるで海底のよう。床に置かれた鏡面仕上げの地球儀には、覗き窓があり、覗くと、世界地図の上に数字が書かれているのが見える。世界各地で起った天災や大量殺戮の座標・時間がプロットされているという。

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もう一つの作品。これもまたヴェトナムのお盆グッズが参照されている。走馬灯のように、なんて言うけれど、灯籠やら蝋燭に死のイメージを重ね合わせるのは世界共通だ。

力の入った展覧会なので、オープニングに来れなかった方も期間中に足をお運び下さい。

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近くの北京ファインアーツでは名和晃平氏の展覧会。この部屋の設計は迫さんがやったという。東京的な感覚をココまで持ってこれる力量はさすが。

草場地には、オリンピック前までにさらに4−5軒のギャラリーがオープンしている。

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その一つ、リー・スペース。学校を卒業したばっかりの作家/または学生の作品に力を入れている。うねった床を作ってしまうという力の入れようだが、職業柄、細かい所に目がいってしまう。なんか文化祭みたいだよなぁ、と思ったが、ギャラリストの人達の「若手の作品を壁にそのままかけたのでは、もっとみっともない。多少クオリティーは低くてもパワーを感じさせる展示をした方がいい」との話を聞き、なるほどと思う。

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北京空間という新しい画廊のそばで見かけたインスタレーション(?)。雨が降ると面白いことになるかもしれない。

9月20日(土)より、北京/草場地のMizuma & One Galleryにて、ジュン・グエン=ハツシバ氏による開廊二回目の展覧会"The Globe Project in Beijing"が催されます。私共は、グランドオープニング時に行った内装の設計に引き続き、メイン・ホールを一杯に使った大型インスタレーションに関する技術的なサポートをさせて頂きました。

オープニングレセプションは、9月20日(土)15:00ー17:00に予定されています。東福も現地に居る予定ですので、皆様お誘い合わせの上、是非いらしてください。

詳しくはこちら

これも終わっちゃってますが。

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入口に掲げられた開幕式のコンセプトドローイング。北京の地図の上に巨大な足跡が点々と…開幕一週間前に完成したばかりとか。

9月2日まで、中国美術館で開催されていた蔡国強"I Want to Believe"展。ニューヨークのグッゲンハイム美術館で行われた個展の巡回に、オリンピック開幕式の花火パフォーマンスを題材にした巨大なドローイングを加えた展覧会。会期が二週間そこそこしかなく、非常に短い。オリンピックにぶつけるためにかなり無理をしたんだろう。

中国美術館は中国でかなり権威ある美術館だが、設備がとても古く、空間も現代美術向きではない。ベニューに問題はあるけれど、展示のヴォリュームはかなりのもので、作品は一度見てみたかったものばかりだった。展示の仕方がちょっと乱暴なのは残念だった。少なくともこの美術館のテカテカの大理石の床はなんとかして欲しい。

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レセプションの模様。一番手前が蔡氏。日本で活動した時代もあり、日本語も堪能…らしい。同行させて頂いた方は、蔡氏とは古い知り合いだったが、それでも簡単な挨拶くらいしかできなかった。だから、僕は未確認。

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その後、東京とNYからいらした美術関係者の方に同行して、北京ダックの有名店「大憧」へ。席が空くのを待っている間は、ダックを焼いている所を見る事ができる。僕はこの店の「白菜と栗のサフランソース」が好きで、これは北京一旨い料理だと思っている。ダックのスープはクセがあり、美味しいものではないけれど、それが栗と白菜と合わさると非常に上品な味になる。この料理を食べている間、皆が無言になってしまうほどの逸品。

北京で食べるならコレですよ。

CG処理…

始まる前から予想された事だけれど、色々噴出してますな。

オリンピックの開会式の花火の空撮映像。その殆どがCG合成だった、というニュースが。今見返してみると、特に発射の瞬間がうさんくさい。あの映像を見ながら、「あれ?北京の上空ってもの凄い航空管制が敷かれてるんじゃなかったっけ?地対空ミサイルで撃墜されないの?」という疑問が一瞬脳裏をかすめたけれど、まさか合成映像とは思わなかった。

オリンピック関連のCGの殆どを製作しているのはクリスタルCG(水晶石数字科技有限公司)という、中国最大のCG制作会社だ。この会社、北京の有名プロジェクトのパースやムービーは殆ど作っているので、建築関係者にはかなり名が通った存在だ。テレビCMなどにも仕事が多く、日本で目にする中国産CGの殆どはこの会社のモノだと思っていい。

とってもとっても儲かっているらしく、空港にデカデカと広告があったりする。また、自社ビルはCCTVの設計でおなじみ、オランダのOMAに設計を依頼しているそうだ。確かにココのCGは格好良く、一度は頼んでみたいなぁ…と思っているけれど…高くて手がでない。せいぜい、この会社から独立して細々とやっているレンダラーに頼むのが関の山だ。

話はそれたが、件の映像も、おそらくクリスタル製だ。

このニュースがウェブ上に出た時、僕が開会式で大興奮していたのを知る人から慰めの言葉(?)を頂いた。

・国威発揚のためにはやむを得ない(ついでに女の子の口パクも)
・レニ・リーフェンシュタールの「オリンピア」だって、市川崑の「東京オリンピック」だって、別撮りだらけじゃん。

って、慰めになってるか?2つ目にいたっては、記録映画であってライブ中継じゃないし…。そもそも僕を慰める意味がよくわからない。

まあでも、有り難うございます。

ちなみに、勘違いしている人が居るみたいだけれど、足形の花火は実際に打ち上げられている。Youtube上にもメイキング映像(の番組?)が上がっていて、準備や練習の様子を見る事ができる。

花火を担当したアーティスト、蔡国強の大規模な個展が、19日から中国美術館で始まる。CG処理は彼の指示ではないだろうけれど、展覧会の前にちょっとミソがついちゃった感じだなぁ…

始まってしまいましたね

北京のあちらこちらに「オリンピックまであと何日」の表示板がある。最初に来たときは余裕で1000日を超えていたのに…。感慨深いものがある。

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先週末、韓国の設計事務所、IROJEの北京代表の趙さん、松原事務所の勝田さんと飲んでいた時に、来週の開幕式をみんなで見ましょうよ、という話になり、IROJEの事務所を提供してもらって「開幕式を観る会」をすることになった。飲みながら話をしているときには「ロシア人のダンサー雇ってさぁ!」なんて盛り上がっていたのだけれど、自分にモンゴル出張の予定があるのをすっかり忘れていた。その上、出張から戻るなり風邪でダウン…。趙さんと勝田さんに準備の殆どを頼りながらも縮小に縮小を重ね、最終的には「ゆるゆる」でコージーな感じで楽しみましょうよ!という会になった。でもでも、突然の誘いにも関わらず20人くらい集まってくれて、楽しく観る事ができた。皆さん有り難うございました。

2年程前、北京のバーで、開幕式の仕事をしている、というデザイナーと話をした。チャン・イーモウを頂点として、セクション毎に世界各国の演出会社が関わっているんだそうだ。香港出身で、イギリス系の会社を手伝っていた彼女は、どんな内容かはもちろん言えないけれど、歴史に残る凄い開幕式になるわよ、とだけは教えてくれた。

政府高官へのプレゼンが当日になって突然セットされたり、逆に突然キャンセルされたりで、とっても大変そうだった。チャン・イーモウは政府の言う事を良く聞いているわよ、そういった意味でも凄いヒトよ、とも言っていたので、「この部分はあんまり良くないな、後からムリヤリ突っ込んだんだろうなぁ」とか想像しながら開会式を観ていた。中国の仕事、とりわけ政府絡みの仕事は、政府高官からの横槍が度々入り、それに対応するのに膨大なエネルギーを必要とする。いくら国を代表する映画監督と言えど、場所が場所だけに政治圧力と無縁では無かっただろう。それをあの一連の演出にねじ込んでしまうのだから大した力量だ。

しかしまあ、凄い演出だった。北京全体を使ったダイナミックな花火。蔡国強(ツァイ・グオチャン)という人は、20年程前に火薬の爆発を使って万里の長城を延長する、というアースワーク的なパフォーマンスをやったくらいの人なので、デカい事やるだろうなぁとは思っていたけれど、分かっちゃいたけどやっぱり凄い。

エンターテイメントとしても、アートとしても、そしてもちろん、中国自体のプロモーションとしても一級だと思った。中国の数のパワー、テクノロジー、歴史…がいかんなく注ぎ込まれている(しかもお得意のワイヤーアクション付き!)。現代的に洗練されたマス・ゲーム!

このところ、海外メディアの報道内容が単なる中国批判を通り過ぎ、なんでもかんでもネガティブな内容に持って行こうという奇妙なバイアスがかかっている状態が続いていた。中国は問題だらけの国なのは事実で、問題をあげつらえばキリがない。いくら中国の自業自得とはいえ、報道の優先順位に首を傾げる事が多かった。

でも、このセレモニーに関しては、どのメディアもほぼそのまま放送せざるを得ない。中国は、バイアスが解除されるその僅かな一瞬を、最高のアーティスト達を動員してコジ開け、世界の視聴者に直接アピールする事に成功したのではないか。「文化」で革命を起こそうとしたくらいの国だから、アートの持つ力を利用するのはお手の物なのかもしれない。海外メディアの中国報道に対して感じていたモヤモヤが、スカッと晴れたような思いがしたのは、僕が中国人化してきている証拠なのかな?

地域によって格差はもちろんあるけれど、モノの生産に関しては日本の優位性はかなり少なくなって来ているように思う。残るはコンテンツ力だけれど…中国はコンテンツに関してもメキメキと力を付けて来ているのが、このセレモニーからもハッキリと感じられるだろう。日本が、本当に脅威を感じるべきなのはそこだ。毒ギョーザや段ボール肉マンも大事かもしれないけれど、そんなニュースばかりを見るのは、本当の「中国の強さ/怖さ」から目をそむける事にしかならない。中国を敵視するのは自由だけれど、敵なら敵をキッチリと見極めよう。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」だ。

おいおい結局、孫子かよ。

正直、今までは外国の教育を受けている、もしくは外国人である、というだけで仕事ができている所があった。これからは、中国の凄まじい発展をどうキャッチアップしていくか、というのが重要になってくるなぁ。色々考えさせられた。

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誰かの国の選手団が入場するたびに乾杯。すっかり二日酔いになってしまいました…

唐山と地震と

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1500キロも離れた北京で揺れを感じるなんて…想像を絶する。

北京からそう離れていない所に、唐山という都市がある。今から約30年前、ここをマグニチュード7.8の直下型大地震が襲った。犠牲者は発表によると24万人以上、本当はその倍は居たのではないかとの説もある。92%の家屋が倒壊(真偽の程は確かではないが、残った建物の殆どは日本統治下に建てられた物で、そのため当地では日本の建物に対する信頼が厚いと聞いた)。未曾有の大災害であったにも関わらず、中国政府は他国の救援を断り、被害を拡大させた。

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唐山にある「抗震記念館」。「抗日」ではない。

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市内には、震災を受けた工場等がそのまま保存されている場所がある。一部は公園として整備される予定だと言う。

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記念館の中の展示では、中国国内から派遣された救援隊の活躍がヒロイックに描かれていた。中国人民の勝利。非常に政治的な内容だ。何もかもが政治に利用されてしまうというのは中国ではいつもの事で、今回の四川省の大地震とて例外ではない。テレビの特別番組には、本日現地入りした胡錦濤氏が被災地の視察風景や、救援隊の美談がふんだんに織り込まれている。

だからといって日本の報道が偏向してないかというと、そうではないのが悲しい所だ。中国の構造設計に関して、日本の某テレビ局の取材を受けた人の話を伝え聞いたが、「中国ってやっぱり酷いですね」というストーリーありきの取材だったらしい。

僕は、中国で大規模施設の設計経験が豊富とは言えないが、幾つかの例を思い返してみると、中国の耐震設計は日本ほどには綿密ではないものの、案外ちゃんとしている、という印象がある(凄まじい勢いで建設技術が進歩している国なので、最近設計された比較的新しい建物に限定させてもらうけれど)。今回倒壊した建物も、中層までの比較的古い建物が多いようだ。

あまり知られていないようなのでついでに書くが、建物の避難や消火設備に関する法規についても、日本と同等、それどころか日本より厳しい所も散見される。意外かもしれないが建物の身障者対応もかなり厳しい。「中国だったら法規も未整備だろうから、なんとかなるだろう」とナメた図面を持って中国に乗り込み、痛いメに会った僕が言うんだから間違いない。

日本のメディアー日本人自体がそうなのかもしれないが—は、どうしても中国を「民度の低い」、精神的に/文化的に/技術的に立ち遅れた国として見たがる所がある。確かにメチャクチャな所はあるが、本当にそのとおりの国だったら日本にとって何ら脅威ではないだろう。製品の生産量だけではなく、イビツではあるが多方面で凄まじい勢いで発展し、一部では日本を凌駕しつつあるから脅威なのだ。今の日本の中国報道は単なる気休めだ。本当の脅威を見極めてから恐れるべきだ。本当に、案外ちゃんとしてるんだから。あくまで「案外」だけどね。

話がそれたが、政治に利用されやすい大災害においては、迅速かつ最大限の援助を行うのはもちろんだが、チベット問題等の諸問題がウヤムヤにならないよう冷静にウォッチする事も重要だ(チベットの一部は震源から近いにも関わらず、被害状況は未発表の部分が多く、海外メディアも入れないという)。


日本からの救援隊は青川県という場所で活動を開始した模様で、中国のテレビでも大きく報道されている。もちろんこの報道にも政治的な意図があるんだろうが、同じ日本人として素直に誇らしい事で、ぜひ地震国日本のノウハウを生かして活躍して欲しいと思う。

来週には、ある日本人建築家が現地入りするという。また、アーティスト、ロンロン&インリによる写真芸術のギャラリー、三影堂撮影芸術センターでは募金やチャリティーオークションを開催するという。北京に居ながらこれといった活動ができてない僕としては、本当に頭の下がる思いだ。

Mizuma & One Gallery

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この数カ月取り組んできた北京のギャラリーが、4月26日(土)、ついにオープニングを迎えます。皆様ぜひお誘い合わせの上お越し下さい。

詳しくはこちら

20080504追記:いらして下さった皆様、有り難うございました。

UCCA

もう1ヶ月も前の話でごめんなさい。

11月の初めに、798芸術区にUCCA [Ullens Center for Contemporary Art]がオープンした。ガイ・ユーレンス卿(男爵)は中国の現代美術の有力なコレクター。2000点に及ぶという彼のコレクションを展示する大規模な美術館である。入場料30元。月曜休。

798の画廊たちが如何に大きいとは言え、700〜800平米前後のものが殆どだ。その中心に突如出現した8000㎡の美術館。北京のアートシーンの盛り上がりは頂点に達したと言えるだろう。この美術館の設立の話は、2年前からずっと噂になっていた。やっと、という感じ。

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2年前の日記に、改装前の同じ場所を撮った写真があるので、見比べてみてほしい(5〜8枚目)。古い(ある意味味があった)工場のインテリアは全て白く塗りつぶされ、完全な西欧型の美術館へと改装された。「西欧の美術のあり方をそのまま中国に押し付けるコロニアリズムだ」との批判もあるし、「こういった西欧型美術館も一つは必要だ」との同調意見もあるそうだ。

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一応、という感じで残された既存の機械。

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現在やっている展覧会は中国の現代アートを俯瞰するもの。1985年から中国の現代美術は始まった、という態度は、館長の费大为[Fei Dawei]氏の持論だそうだが、この点についてはいろいろと議論があるらしい。

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先日の日記でも触れた徐冰[Xu Bing]の作品がメインスペースに展示されている。

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中国の実験芸術の第一人者、呂勝中[Liu ShengZhong]の作品「招魂堂」。もともと中央美術学院の民間芸術の教授だった美術家で、中国の伝統的な切紙、特に「小紅人」と呼ばれるヒト形を表現に使う。この作品は元々、1990年に中央美術学院内の彼のスタジオで行われたインスタレーションだが、部屋丸ごとが忠実に再現されている。

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オープニングの規模も北京では類を見ない規模だった。プレスオープニング、招待客800人の晩餐会、本オープニング、招待客1500人のパーティ…と二日間に渡って行われた。最後のパーティはモエ・エ・シャンドンがスポンサーで、シャンパン飲み放題だった。100人くらいのウェイターたちが注ぎまくる。

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中央がボディガードに守られたユーレンス夫妻。

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パーティのドレスコードは「グラマラス」だそうで、その解釈に悩んだ。英語ネイティブの友人によると「グラマラス?聞いた事ないわねぇ。私はタキシードだと思う」との事。また、日本人の友人たちからは「吉本の芸人みたいに大きな蝶ネクタイしてくんじゃない?」とか「それに金ラメのジャケットを合わせれば完璧!」「それは確かにグラマラスだ!!」など、非常に親身になったアドバイスを頂いた。まあ僕もダテに3年以上も中国に居る訳じゃない。どんなドレスコードを課そうとも、多くの中国人客はジーンズ姿で現れるであろう事は容易に想像できた。でも、僕までジーンズ姿で行ってしまうと完全に中国人にとけ込んでしまう。外国人としてのプライド(?)を死守すべく、シャツとネクタイだけはして行った。

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会場で行われたパフォーマンス。

ネツケ

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ご無沙汰してしまいました。仕事が区切りを迎えており、忙しい毎日です。

秀水市場という北京のオミヤゲマーケットで見つけた小さな木彫りの彫刻。獅子(もしくは犬)の顔やシッポが長さ5センチくらいの楕円形のボディに刻み込まれている。足はない。どことなく可愛らしくもあり、フリークス的なオドロオドロしさもある。そんなデザインのものを選んだ。

完成度は遠く及ばないものの、日本の根付(ネツケ)と呼ばれる伝統工芸品に似ている。根付とは、キセルや印籠を帯に留めるための留め具のようなもの。粋でユーモラスな意匠が施されたものが多く、蒐集家も多いそうだ。江戸時代の携帯ストラップ的存在とも言える(漫画「ギャラリーフェイク」のウケウリで恐縮です)。

この中国版根付も、胸の部分に穴が明いていて、紐を通す事ができる。これが果たして中国の伝統的な小物か、オミヤゲ用に作ったものなのかは不明。店頭でのバリエーションの多さ(一つとして同じものがない)や、彫刻の線のクセ、木目への気の使い方などから、装飾家具の指物師が、余った材料を使って手すさびに作ったものなのではないかと推測する。ついでに売ってお小遣いを稼いでいるのではないか。

まあ、紐を買って来て、携帯ストラップとして使ってみよう。

売り子が提示した値段は95元(約1500円)、それを30元(約500円)まで値切った。これはかなり頑張ったぞ!と思い、中国人に「これいくらだと思う?」と自信たっぷりに聞いてみたところ、「うーん、15元くらい?」とか「俺は10元以上は出さないな」なんて答えが返って来た。完全な外国人価格で買ってしまった。いや、外国人だから仕方ないんだけれども、中国人との交渉はかなりできるようになって来たなと自信を深めていたところだったのでちょっと悔しい。まだまだ修行が必要だな。

買った秀水市場は、観光スポットとして有名で、いつも外国人であふれ返っている。売り子には、英語、韓国語、日本語、ロシア語を流暢に話す子が少なくない。ブランド品のニセモノが横行しており、当局が何度も引き締めを図っているが、そこはシタタカな中国人、ハイそうですかとなる訳はなく、店はあの手この手を駆使してニセモノを販売している。ブランドに詳しい女性に聞くと、ココで売っているコピー品は所詮はB級品で、もっと品質の良いものはアンダーグラウンドで流通しているらしい。ここは元々はシルクの市場だったので、シノワズリーなジャケットやシャツ、スカーフなどを買うのが良いと思う。可愛い柄のものが沢山ある。

ギャラリーフェイク (5)

難しい漢字#2

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ビァン!

以前紹介した、中国最難漢字と思われる「ビァンビァン麺」の「ビァン」の字。

中国人のスタッフに、難漢字に関する面白いページ(正確にはブログのエントリー)を教えてもらった。インターネット投票による難読漢字ランキングである。画像を転載するのもなんなので、どうぞリンク先をご覧ください。

1位はやたらと頭でっかちな恐ろしげな字。「悪魔払い」というような意味があるそうだ。

2位は「ビァン」がランクイン。

3位はクネクネと這いずりまわる一筆書きの字。なんでも、「一」を崩した字だという。一番簡単なはずの漢字がとっても難しくなっているんですけど…

以下21位まで、ドクドクしいながらも遊び心溢れる字が続いてゆく。

既存の字を組み合わせる事で新しい字、そしてコンセプトを生み出してゆく。漢字文化圏とはそういう「合体モノ」の文化圏なのかもしれない。中国皇帝の象徴である龍は、「角は鹿、頭は駱駝、眼は鬼あるいは兎、体は大蛇、腹は蜃もしくは蛟、背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛にそれぞれ似る」という。ある中国人は、これこそが多民族を呑み込み、同化させてきた中国の象徴だと言っていた。西洋人が物事を構造的に見直すことで新しいアイディアを得ようとするのとは対照的に、漢字文化圏の人たちは、既存のアイディアを組み合わせて新しいアイディアを得るのが得意なのかもしれない。そこらに居る動物達を組み合わせることで想像上の動物のイメージを生んだように。

コンセプチュアル・アートとか、ニューラル・ネットワークみたいな言葉を一つの漢字にしたらどんな風になるんだろう、なんて空想する。

80年代~90年代にかけ、中国から日本経由で世界へ出て行ったアーティストとしては蔡国強氏が有名だが、それと並ぶ美術家に徐冰[Xu Bing]という人が居る。漢字を通して、表音文字文化圏と表意文字文化圏、あるいは、西洋と東洋の断絶を浮き彫りにする、そんな作家だ。

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798で買った"Square Word"という本の表紙。よく見ると"Square""Word"がそれぞれ一字に纏められている。この本はその"Square Word"で英文を書くための手引書の体裁をとっており、これに従えば、どんな英単語も漢字風に表記できる(はずだ)。もちろん中の文章も"Square Word"で書かれていて、"international"だとか"calligraphy"なんて字は大変なことになっている。一つ一つの漢字(あるいは英単語)を判読していくのが楽しい。

The Art of Xu Bing
この本の表紙は"Xu Bing"。読めますか?

今日は中秋節の前日ということで、例によって月餅があちらこちらから届いている。今年は3箱で計30個くらい。頂けるのは有難いんだけど、こんなにもらっても食べきれないよ…毎年半分以上はダメにしてしまっている。箱を開ける気にすらならない。日本の年末に飛び交うカレンダーと似た感じだが、こちらは食べ物だけに始末が悪い。

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過剰包装の極致。

今日は中秋節を祝って施主、現場、ローカルとの食事会だった。どの道も大渋滞で、タクシーが使い物にならない。仕方なく降りてレストランまで歩く。食事中は乾杯合戦。居る人間のすべての組み合わせで杯を干しあう感じだ。16人いたら、一人一人と15回。そしてゼネコン全員と1回、施工管理全員と1回、施主全員と1回、出席者全員で1回…合計19回のイッキ飲み。「毎年コレで日本人駐在員が2・3人、急性アル中で亡くなってるんだよ」との牽制もむなしく、結局飲まされる。

明日から、国際交流基金主催の展覧会が798で開幕する。ギャラリー3つを使った大規模なもので、参加する作家も有名どころ。作家さんの4分の3ほどは来中して設営を行っているとの事だ。先週行われた北京アートフェアや、他の日中国交正常化30周年記念イベントとの相乗効果で、日本の美術、ファッション、デザイン関係者が北京に勢ぞろいした印象だ。テレビや雑誌で見知った顔が北京の工場の中をゾロゾロ歩いている…ちょっと面白い風景だった。

本日、プレス向けオープニングが開かれ、展覧会を覗かせてもらった。中国で、空間を贅沢に使った展示ばかり見てきた目には、少々詰め込み過ぎに感じられた。まあ、中国に於ける初めての大規模な日本展なのだから、これくらい網羅的な展示をした方が良いという判断なのだろう。展覧会の模様は、様々な媒体で紹介されると思うので、そちらを御参照下さい。

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今、798で一番注目されている展示は、Continuaのアニッシュ・カプーア展。まさしく「空間を贅沢に使った」展示の極致で、大空間全体を使った巨大なインスタレーションがある。おそらく、カプーア作品の中ではテート・モダンのタービン・ホールで行われたインスタレーションに次ぐ規模だと思う。

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会場全体に渦巻上の経路、兼「風道」が作られている。中央上部に換気口があり、そこから静かに空気が吸い出されている。入口から換気口へと流れる空気は、会場全体に見えない空気の渦を作り出す。唯一、そのスパイラル状の流れを可視化しているのは中央から立ち上る霧だ。霧の竜巻に手を触れると、たちまち文字通り「霧散」してしまうが、10秒程で元に戻る。この手で自然を操るような、そんな体験がある。簡単な「機構」で、未知の「気候」を会場内に作り出す手腕は流石の一言だ。必見。

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もう一つ、大がかりなビデオ・インスタレーション作品が草場地のUniversalstudios-Beijingで展示されている。邱黯雄[Qiu Anxiong]の作品。入口は古い列車の中に直結している。すべての車窓には、近代中国の事件をまとめたビデオが繰り返し流されている。列車を降りると、真っ暗な倉庫の中に列車が置かれているのが分かる。つーか、この電車どこから入れたのよ!

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(写真がブレブレですみません)

日本でこんな大規模な展示が行われたらちょっとした事件である。少なくとも雑誌やテレビが放っておかない。こんな展示がサラリと行われているのが今の中国なのだ。

観た人に印象を聞くと、「日本人は、文化の中心は日本だと思っている所があるけれど、それが滑稽な事がよく分かるよね。完全に置いていかれてるもの!そして、追いつくのも不可能。中国の方がスピードが速いもの!」なんて答えが返ってきた。もちろん「そうそう長くは続かないでしょう」という冷静な意見もある。でも、このムーブメントが一過性のもので、やがて消えて無くなる砂上の楼閣だとしても、やった事実は記憶や体験として残る。残ってしまう。以前にも書いたけれど、その本質がどんなものであったにせよ、リニアモーターカーを作り/走らせた事実、有人宇宙飛行を成功させた事実は残り、次世代を準備することだろう…

月餅を頬張りながら、そんな事を考えていた。(結局食べてる)

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街中であろうと職場であろうと、北京にはそこかしこに赤いバナーがベタベタと貼られている。内容は、スローガンじみたメッセージ、スローガンじみた標語、スローガンじみた注意書き…そしてそのものズバリのスローガン。功利主義者であり、自我の塊である中国人が、スローガンに書かれているからといってハイそうですねと従うとは到底思えないのだが…スローガンを書いている本人すら、その効果に疑問を感じているに違いない。

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中国の赤 #1

今日はヴィヴィッドな写真を。中国の赤。撮り貯めた写真から切り出してみた。

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そういえば、今日の僕はシャツもパンツも赤い。

フートンファサード

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垂れ流しシリーズ2。

胡同地区。開発のアオリを受けて取り壊されまくっているとは言え、北京の2環路の内側ではまだかなりの数を見ることができる。観光コースには故宮、鼓楼周辺エリアなどがあるが、場所によって微妙に差があるようだ。これは故宮の東、北京駅近くのもの。それぞれの入口の設えが凝っている。ルネサンス風、中世風、そしてもちろん中華風…。たった10分程度歩くだけでも様々なバリエーションを見ることが出来る。それぞれの住宅の全体的な佇まいは殆ど変わらないし、材料も変わらない。でも、入口だけは頑張って自己主張している。中国人のメンタリティを見るようである。

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幾つか写真に収めながら、これを集めるのも面白いかなぁ、なんて考えていた。ベッヒャーの「インダストリアル・ファサード」という写真集を思い出した。工場を正面から撮り続けたシリーズ。アマゾンに無いかな…?と探していたら、"TYPOLOGIES"という纏まった作品集があり、買ってしまった。

TYPOLOGIES

昨日のエントリー

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昨日のエントリーですが、ネットの不調のせいで、後半を吹っ飛ばしてしまいました。ホント、中国の(というか働いている学校の)ネット事情はヒドいんです。

忘れないうちにと、メモとして書き留めたつもりだったのに…結局思い出しながらもう一度書く羽目に。昼休みが無くなってしまいました。

798とそれを含む北京のアート・エリアについては、美術館設計のために集めた資料があるので、時期を見てまた書こうと思っています。…といいつつ2年近くが経つんですが…

ここんとこの798

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先週、お客さんを案内するついでに、798を見てきた。丁度展覧会のオープニングシーズンだった。ちょっと書き出してみよう。

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798SPACEでは"The Terracotta Woman"というインスタレーションが。タイトルの通り、兵馬俑を女性へとコンバートしたもの。兵馬俑は全て男の兵士であり、ある意味、中国の伝統的男社会を表現するファルスそのものなのかもしれない。女性の兵馬俑たちは、赤子をあやすものあり、出産するものあり、経血を流すものあり…一つ一つ手間のかかった力作ではある。「中国人の作家も、こんな直球なフェミニズム表現をするのかぁ」などと思っていたところ、ノルウェイの作家の作品だった。中国人にとっては分かりやすい「現代芸術」らしく、幾つかの新聞で取り上げられているらしいが、僕はあまり面白いと思わなかった。

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共和国建国以降の中国では、建前としては男女平等だ。事実、女性の社会進出はめざましく、仕事相手も女性がかなり居る。だがその一方で、人身売買まがいの売春が横行しているような所でもある。ミスコンもしょっちゅう全国放送されているし…中国人にとっては、性の商品化と男女同権は矛盾しないものらしい。そういう捻じ曲がったダブル・スタンダードが中国のジェンダー、ひいては社会全体の特徴であり、西欧世界の問題意識との差異だと思う。中国の女性作家が、そういうところに踏み込もうとしているのを考えると…ちょっとヒネリが少なすぎやしないか。

・イタリアのサン・ジミニャーノに本拠があるCONTINUA。北京の798に支店を出したお陰で、このギャラリーは一躍有名になったという。展覧会は"One Colour"。ギャラリーが白と黒だけで埋め尽くされている。カラフルな中国アートばかりを見てきた目にとっては、眩暈を生むほどの迫力だ。アニッシュ・カプーアに白黒作品があるのは知らなかった。

・イギリス系画廊、Chinese Contemporaryでは中国の若手建築家達によるグループ展。建築の展覧会ではなく、アートワーク。MADの馬岩松[Ma YanSong:ここに何度か登場している早野氏のパートナー]は虹のようなオプティカル・インスタレーション(なぜか休止中)、主題工作室の王永剛[Wang YongGuan]は溶岩を切り出したような彫刻。中でも面白かったのは、朱ロンによる絵[一部]。OMAによるCCTV、アンドルーによる大劇院、PTWのウォーターキューブ、H&Mのオリンピックスタジアムが、中国風の食卓に並んでいる。外国人建築家が主要プロジェクトを手がけている現状に対する皮肉。

Paris-Tokyo Photo GalleryではAniu & Cyrus Cornut "Urban Oceans"とLiu Ren "Someday Somewhere"が。前者は西洋人から見た中国の都市風景スナップ。あまり新鮮さはない。作者は建築畑出身の人だそうで、同業者の視点から取られたものだからだろうか。後者はやなぎみわのエレベーターガールシリーズ風のセルフ・フォト・コラージュ。後者の作品が沢山売れていた。こういった作品は、自己愛や変身願望のストレートな発露が特徴なんだろうが、この作家の場合はちょっと違う。コラージュの背景も、本人の容姿も、異様にリアリティーがある(意味は察して欲しい)のだ。何も特別ではないものが組み合わさって特別になる。狙ってやっているのか。2年前に中央美術学院を修了した作家だそうだから、25歳くらいなんだろう。

東京画廊/BTAPでは「玩画廊」展。中国語では、シニカル・リアリズムは「玩世」と略される。「世間をモテアソぶ」というような意味で、それをモジって画廊版にしたということのようだ。日本の現代美術の浮遊感と共通するものがあり、親和性が高いと思う。Beijing-Tokyo Art Projectを謳う画廊に相応しい展覧会。

・北京で一番古い写真ギャラリーと言われる798 Photo Gallery(でもまだオープンして3年程度だろう)。 一昔までは発表できなかったような政治的な作品を扱う。ショーウィンドーの中の翁乃強[Weng NaiQiang]の文革ドキュメント写真にいつも見入ってしまう。ハッセルブラッドの正方形フレームの中に捕らえられた完璧な構図。凄い。欲しいけど、2メートル角はデカすぎる。

また来た

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再び北京へ。最高気温10度、最低気温0度前後の毎日だそうだ。かなり寒い。

中国では、政府の指導で11月中旬までセントラルヒーティングを稼動できない。外国人にとって、暖房が入るまでのこの時期が一番つらい時期と言える。2年前の今頃には、余りの寒さに近くの料理店に逃げ込んだ。店内にももちろん暖房はなく、隙間風がピュウピュウと吹き込んでくる。辛い麻婆豆腐を頼んでカラダを暖めていた。あの冬に比べれば今年は過ごしやすい。それとも慣れてしまったのかな。

このニッキで何度も触れている798芸術区。この2年の間にもどんどん発展し、今ではリッチなアーティストと画廊がひしめき、巨大資本でもない限りは新規参入は難しくなってしまったようだ。新規の画廊は、その北にある「草場地」、東の「環鉄」、僕が働いている美術学院を隔てた西の「酒廠」、といったエリアに分散しつつある。

その「環鉄」の中のCurrents - Art and Musicという新しいギャラリーの展覧会のオープニングに行って来た。その名の通り、アートと音楽とのハイブリッドをコンセプトにした画廊である。張培力[Zhang Peili]というヴィデオ・インスタレーション作家の展覧会だった。中国におけるヴィデオ・アートのパイオニアである。

文革時代のプロパガンダ映画をデジタル処理し、空間に配置した作品。大きな容積を上手く使い切っているが、先週、森美術館でビル・ヴィオラ展を見たばかりの目には、プレゼンテーションがどうしても雑に映ってしまう。

中国の現代アートに溢れかえる文化大革命のイコン。本来は中国近代史の恥部であるはずなのに、中国の現代アートにおいてはまるで大いなる遺産であるかのようである。西洋人はもちろん、中国人まで熱心に見入っている。それだけ彼等にとって、インパクトのある出来事なのだろうが、僕はもう、少々見飽きてきてしまった。

来週には暖房が入る。

プラネット・マオ―文化大革命のグラフィック・パワー
著者の王明賢は、文革グラフィックの専門家であると同時に、現代アート・建築の評論家でもある。この本はグラフィックだけで構成。

ART iT

前回のエントリーの写真を見て思い出しましたが、雑誌「ART iT」の中国特集は、本当に充実しています。中国アートに興味ある方、近く北京にいらっしゃる予定の方にはマスト!

ART iT (アートイット) 01月号 [雑誌]

ART iT (アートイット) 2006年 04月号 [雑誌]

原付さんぽ

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先週は中国の旧正月休みでした。思い切って南国に逃避しようかとも思ったのですが、外せない用事がポツポツと入ってしまい、まとまった時間が取れませんでした。結局、少し時間を見つけては東京の美術館や本屋を訪ねてプラプラする…という休みの過ごし方をしました。

原美術館まで行ってきました。道中は三田、高輪といった比較的起伏の激しい所で、自転車で行くのはチトきつい。買ってこのかたコレといった活躍の場がなかったEC-02がようやく日の目を見ました。

綱町三井倶楽部、高輪消防署(写真)、高輪プリンスホテル、旧竹田宮邸などの名建築が随所にあります。さすが元祖山の手・元祖セレブ地区。目的地の原美術館だって元々実業家の豪邸だもんなぁ。

開館5分前にたどり着いたオラファー・エリアソン展。入口にはもう、10人くらいの方が待っていました。なんでも、土日は作品鑑賞に支障が出る程の人出で、会期が延長されたんだそうです。

暗闇に霧を散布して人工的な虹を作り出したり、光をプリズムを通して分解し、それを用いて美しく空間を再構成したり、一室をカメラ・オブスキュラにしたり。ダ・ヴィンチやレオナルドの時代の、「プリミティヴな科学」の現代的な再解釈とでも呼べばいいんでしょうか。子供の頃、はじめて「学研のかがく」に触れた時のような新鮮な感覚がありました。

一方で、そんな「科学」のルーツは、人々を驚かせるための「魔術」や「奇跡」であった訳です。そんな、おどろおどろしい魔術的な雰囲気も同時に感じました。古の為政者が日食や月食を予言することによって人心を掌握した事と、エリアソンがテート・モダンのホールに巨大な人工の太陽を浮かべた作品:「ウェザー・プロジェクト」によってその名声を不動のものにしたという事実は、本質的には同じ事なんじゃないだろうか。そんな事を考えました。

小ぶりですが、いい展覧会だと思います。是非。

人民大会堂

ココロに堅く誓っているわけではありませんが。

今年は、北京十大建築をできるだけ見よう、と何となく決めています。十大建築とは、1960年前後に、人民共和国建国十周年を記念して建てられた建物たちです。国の威信を負うに相応しく、とにかくデカいのが特徴。様式的には、新古典主義、スターリン様式、社会主義リアリズム、といったキーワードで説明できます。驚きなのは、これらの巨大な建物たちが、一年足らずの突貫工事で建てられている事。国を代表する建物だったらもっとじっくり建てようよ、と思うのは日本人的な感覚なんでしょうかね?

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ともかく、昨年の末に行った軍事博物館に続いて、今度は人民大会堂に行ってまいりました。中国の最高意思決定機関とされている全国人民代表大会(全人代)の会場であり、国会議事堂のような存在です。

目的は、「一把酸棗」という中国現代舞踊の鑑賞。国会議事堂でお芝居、なんてちょっと粋ですね。80年代くらいまでは一般人が立ち入り出来るような施設ではなかったのですが、近年ではこういった用途にも使われるようになってきたそうです。

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ドでかいシャンデリアがバカスカ下がるホワイエ。

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大堂内部のインテリアはアールデコ的で、軍事博物館にも共通する優美さがあります。天井の中央にはお約束の紅星。星に向かって天井がせりあがって行っているように見えますが、実際は中央部は周囲よりも低くなっています。照明を巧みに使っています。

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議事堂ですから、座席には机がついています。しかしまあ、一列あたりの座席の多いこと!自分の座席はど真ん中だったので、10人近くの人にゴメンナサイしながら通って行かなければなりませんでした…ここらへんの大雑把さは、中国的。

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肝心の舞台は、高すぎる身体能力と美貌を兼ね備えた男女―ほぼサイボーグ―が繰り広げるスペクタクルロマン舞踊でした。アクロバティックな動きをふんだんに取り入れた舞踊自体のレベルの高さは勿論ですが、舞台美術や、衣装デザインの素晴しさに驚かされました。これってライオン・キングのパクリだよね?というシーンもありましたが、おおむねどの場面もアイディアに富んでいて、完成度も高い。ヘタなミュージカルよりもカネがかかっていそうです。

ググってみると、総監督の張継鋼氏はこの分野の第一人者であると同時に、「解放軍総政治部歌舞団団長」という肩書きもあるようです。つまり、軍専属の劇団の団長なんですね。「抗日戦争勝利60周年記念文芸の夕べ」というイヴェントの監督もやっていたりするようですが…

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終了後、記念撮影していたサイボーグたちをパチリ。中央の男性が張継鋼氏。その両隣が主役の2人。

舞台は素晴しかったですが、観客のマナーが、ちょっとね…

買い物@東京

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戻ってきましたよ。

麻布十番に戻ると、「ほぼ日手帳」と、アマゾンで買っていた本が届いていました。ショッピングカートの中に入れたまま一年間購入を悩んだアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真集など。荷物を増やしたくないので、在京中に出来るだけ読んで、残ったものを北京に持って行きます。

建築写真

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先週、建築写真家の木田さんが学校にいらっしゃいました。以前、自分が設計した住宅を撮影してもらって以来、4年ぶりの再会です。丁度、ブックフェアーが終わっていてホッとしましたよ。もし、露店に木田さんの写真が掲載された海賊本があったら、しかも、イノセントな笑顔を浮かべた露天商がそれを木田さんに売りつけたりしたら…ドキドキもんです。

椅子展

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今、学校で、学生による椅子の展覧会をやっています。今ある小さな学内ギャラリーでの展示なのですが、一部の作品は芝生にもはみ出しています。「パラディーソ・コーヒー」のすぐ近くなので、買うついでにちょっとだけ覗いてみました。

美術大学内のギャラリー、コーヒー店、そして近くの芝生。文章で書くととっても素敵な環境ですけど、実際には大したところではありません。だってここは北京だもの。

白の色えんぴつ

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「中華牌」

中国で、おそらく一番ポピュラーだと思われる鉛筆ブランドです。トンボ鉛筆みたいなもんでしょうか。

生活する上で、必要なモノ。最近は、何がどこで売っているかが大体分かってきたお陰で、不自由する事は少なくなりました。日本語の本や多少マニアックなCDを除けば、大抵のモノはこちらでも手に入ります。

肝心の展覧会

受付のお姉さんとのやり取りに終始してしまい、肝心の展覧会の内容について書いていませんでした。

■美術家/写真家(もしくは写真を主に使うアーティスト)、杉本博司による「時間の終わり」展。暗箱の中のフィルムに一定「時間」像を照射して世界の複製を作る機材。そんなカメラの原点を思い出させる「時間が封じ込められた」写真作品達。非常に知的で洗練されています。

受付嬢vs.自称アーティスト

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ニューヨークでは、いわゆる「自称」も含めると、10人に1人は「アーティスト」なんだそうで、それだけ「アート産業」というものが確立されているのだ、という話を聞きました。わが国では約10人に1人が建設業に携わっているそうですから、アート都市ニューヨークでは、我々が建設関係者と接触するのと同じくらいアーティストに接触する機会があるということです。まあ、上記の建設業人口の他にも、「自称建設業」の人が居る可能性もあるので、あんまり良い比喩では無いかもしれませんが…今のところ建設業を「自称」している人には会ったことが無いけどね。建設業を自称しても、メリットあんまり無いしね…

アーティストの証明

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ご無沙汰してしまいました。

東京で進んでいる仕事に参加するために戻ってきている、という事はすなわち東京が人手が足りないからなのであり、当然仕事は忙しい。そこへもってきて、日本旅行へやってきたスペインの友人の東京案内や、友人の結婚式への出席、友人や職場が企画してくれた飲み会などなど。そんなスケジュールのお陰で忙しくも充実した毎日を送っています。(次は、17日に北京に行きます。北京の皆様、どうぞ宜しくお願いいたします。)

最近、仕事の絡みもあって、美術はもとより、美術館とそれを取り巻く環境について少しづつ調べるうち、美術館の「メンバーシップ制度」に興味を持ちました。

同僚の中国人たちに現代美術のスペースの使い方を知って貰おうと、798ビエンナーレに再び行きました。先日廻ったところを案内し、僕自身はその他のギャラリーを2・3、廻ってきました。主だったところは大体見たつもりですが…まだ他にも、面白い展示はあるかもしれません。

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798ビエンナーレ

が開幕しました。中国美術館の方の、アカデミック&エスタブリッシュドな「北京ビエンナーレ」と時を同じくして(というか意図的に開催時期をぶつけて)の始まりです。

僕はまだ、本家「北京ビエンナーレ」には行っていないのですが、専門家の話によると評判はあまり芳しくありません。798でやっている展覧会の方が、クオリティーのバラつきはあれど、よほど面白いとの事。運良く世界各地からいらした美術キュレーターの方達に同行させていただけたことで、プレオープンのものを見れたり、ギャラリーオーナーに直接話を伺うことができたりしました。

以下、簡単にレポートします。駆け足で廻ったため、作家名のチェックが甘くて済みません。写真を見て楽しいものが中心。なお、中国以外の作家の作品も含まれています。

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卵でできた都市。ちょっとヒネリが足りないような…?ただエネルギーには敬服します。

隋建国 [Sui JianGuo]

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798芸術区を歩くと、アートがそこここに転がっているのに遭遇します。パブリックアートではありません。保管場所に困って外に出していたら、パブリック化してしまったということなんでしょう。製作場所が集中する798ならではの風景です。

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北京の中心から東北方向へ12キロ程行った所に「798芸術区(チージウバー)」という場所があります。古い工場を利用したアートギャラリーが集中している場所で、アートに興味がある人ならご存知の方も多いのでは。写真は、その中核施設である798Spaceという場所。

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