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オルドス再び

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敷地の風景。特に、以前のミクシイのトップページみたいな絵を撮ろうとした訳じゃなく、ガチでこんな風景。敷地をトボトボと歩いていたら、大きな野兎が目の前を通り過ぎて行った。

3年ぶりくらいに、内モンゴルの都市、オルドスを訪れた。

前にも書いたが、内モンゴル自治区のオルドス市は、希土類/エネルギーなどの豊富な鉱物資源をバックに著しい発展を遂げている。市民一人当たりのGDPは、沿岸部大都市のそれを超えている。建設ラッシュについては、世界中の若手建築家を集めたプロジェクト、オルドス100によってこの都市を知った方も多いだろう。残念ながらオルドス100は諸事情によりストップしたとの噂だが、建設の意欲は依然として強い。中国の建築界の隅っこでアップアップ浮き沈みしている僕ですら、出張の機会があるくらいだもの。

今年の春、Timeのウェブサイトに、Ordos, China: A Modern Ghost Townという写真記事が出た。オルドス市のカンバーシ地区の住宅群が、定住人口が無く、ゴーストタウン化しているという内容だ。ただし、デベロッパーが乱開発をした挙げ句、売れ残っていると言う訳ではない。これらの住宅は全て売り切れていて、買う事が難しいくらいだという。将来の値上がりを期待しての投資。ひとたび住宅価格が下がり始めれば、大変な事になるわけだが...。中国バブル崩壊の序曲!と喜ぶ中国嫌いの方がいらっしゃるかもしれないが、そこは一党独裁でフットワークの軽い国、即日発効の政令をバンバン打って、崩壊以前で食い止めるだろう、と個人的には考えている。ただし、この勢いを今後も続ける事もまた、不可能で、いずれ調整局面が訪れる事は間違いない。もちろん、こういった不動産を購入するリスクを認識している地元の人も多く、そういった人達の食指は北京等の大都市、もしくは東京などの外国の都市の物件へと向かっていると聞く。

話は逸れるが、石炭を産する山西省の諸都市でも似たような事が起こっているらしい。6つの環状線に取り巻かれている北京では、「二環で聞くのは外国語、三環で聞くのは山西語、四環は国内のその他の地域の言葉、五環の外に行くとやっと北京語を聞く事ができる」というジョークがあるくらいだ。

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(クリックで拡大)

帰りの飛行機まで時間があったので、すっかり悪玉にされているカンバーシにも寄った。以前に来たときより、人/車の姿が明らかに増えていた。ただし、夜間人口はまだ少ないそうだ。写真はカンバーシ中心を貫く軸線部分。幅は5−600m、長さは、昔の日記では2kmと書いたが、実は10kmあるらしい。街を行く人の数に比して、緑地帯のメンテナンスがアンバランスなほどに行き届いている。現地では「カンバーシに住んでいる人達は、6人の警官/政府関係者と、緑地のメンテナンス要員と、清掃要員だけだ」というジョークもあるそうだ。

地元で囁かれるブラック・ジョークを立て続けに挙げたのは、地元の人達がこぞって不動産投資に熱狂しているわけではなく、一方で冷静な目も持ち合わせているという事を伝えたかったからだ。日本のメディアの報道は、中国人をマスとして一面的に伝えがちで、実態から遊離したものが多く、違和感を感じる事が多い。

それはともかく、今回の出張で得たのは、以前の浮き足立った乱開発ムードが薄らぎ、人々が都市に住み着き始めている、という感触だ。カンバーシという巨大な赤ん坊が、今後立ち上がれるかどうか、非常に興味深い。

設計者としては、投資目的であろうとなかろうと、購入者が自ら住みたくなるような魅力的な物件となるように全力であたるだけだ。でも、一方で、今回の仕事の敷地がカンバーシでなくて、正直ホッとしているのも事実だ...

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mad設計のオルドス博物館。外装に問題があって、竣工が遅れているらしいが、なかなかの迫力。

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レストランに作られたパオの中で食事。ナイ茶という、羊の乳を塩で味付けした物を食す。素朴な味だが、食欲がそそられる。

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