June 2009アーカイブ

上野。

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昨日の飛行機は、天候不良で結局2時間近く遅れて到着。飛行機は揺れに揺れた。ヒューンヒューンとジェットコースターのように落っこちてゆく感じで、アテンダントの人達が飛ばされないか心配になるくらいだった。荷物を受け取り、走って成田空港発の京成線最終に滑り込む。麻布十番に着いたころには日付が変わっていた。

今日の午後は上野へ。ここへくるたび、上野発の夜行列車〜♪のフレーズが頭をよぎる。なんだか物悲しい感じがするんだよな。

上野の森美術館で行われている「ネオテニー」展へ。この展覧会は、日本の現代アートのコレクターの精神科医、高橋先生のコレクションから、約80点を展示したもの。へえ、これもコレクションなのか、と驚く程、メディアで紹介されてきたものばかり。着いた時には、鴻池朋子さんのアーティストトークの最中だった。

ミヅマアートギャラリーの所属作家の作品を、ギャラリーオーナーの三潴さん自身が解説するとの事で、作品の裏話等を輪に混じって聴く。作家を発見した時のエピソードや、会田誠さんの「紐育空爆之図」を「伴大納言絵巻」や狩野永徳の「洛中洛外図屏風」、俵屋宗達などを引き合いに出して語る少々アカデミックな話もあった。高騰する現代アートと軽視されがちな日本の古美術、その格差に対する疑問などにも及んだ一連の話は、大変示唆に富んでいて面白かった。展覧会は大変盛況だった。会期はあと2週間強。密度の高い展覧会なので時間のある方は是非。

喫茶店にて、三潴さんと軽く北京関係の打ち合わせをした後、久しぶりの上野をうろつく。活気あるのになぜか物悲しい、その理由を探す。東京駅にしたって、北京駅にしたって、大都市を去って行ってしまうという物悲しさが漂っているけれど、上野はそれが街全体を包み込んでいる。北国へ帰るためのターミナル、という特性故か、なんか演歌なんだよなぁ。ウラジオストック駅とか、ハルピン駅も同じ空気が漂っているのだろうか、などと考える。

ヨドバシカメラに寄り、オリンパスのペン、デジタル版のサンプルを触る。良い質感だけれど、やっぱ、昔のペンFの、微妙な流線型のボディ方がもっとカッコいいよな。日本のプロダクト・デザインの珠玉の名作で、デジタル一辺倒になってしまった今でも欲しいカメラだ。

アメ横を通り抜けて上野御徒町から戻る。以降、メールの返事、明日の名古屋での打ち合わせの準備など。

MU

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なんだか今回の乗り継ぎは楽だ。機内食の鶏肉の焼きそばも、とっても美味しく頂いた。アルミホイルが破れ、一部がカリカリになっていたけれど、ココもクリスピーで美味しいじゃん!なんてガツガツと。ま、単にお腹が空いてただけだと思うけど。あと、東方航空は、パンが暖めてあるのね。今までで一番美味しく感じた機内食かもしれない。ま、単にお腹が空いてただけだと思うけれど。

飛行機は満席。週末はこんなもんなんだろうか。ビジネスマンらしき日本人だらけ。

考えただけでブルーになるのは成田からの帰りだ。税関を抜けて、到着ロビーに出ても、まだ2時間かかるのか…と気が重くなるんだよな。あの一瞬の軽い絶望感と言うのかな、何とかならないものかな。

挑戦中

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今、空港の待ち時間。ヒマに任せてニッキを書いている。

今回の日本往復は、北京ー東京間を往復する人にとっては少し名の知れたMU271/272便を使っている。なぜ有名かというと、安いから。いくらハイシーズンではないとはいえ、往復で21日間フィックスが2万3千円。空港使用料や税金含めても2万8千円で、東京ー大阪の新幹線とそう変わらない。

もちろん安いのには理由があって、上海経由になる。上海で一度降り、出国してから同じ飛行機に乗り直す。同じ飛行機の、それも同じ席に座るために、段取りの悪い係員に連れられて空港をテクテクと一周しなければならない、なんだかやるせない気分になり、普通の乗り換えの倍は気疲れする。13:50発で成田に着くのは20:30。成田からがまた長いんだよな…。のんびり本でも読もう。

北京からの戻りはセントレアを利用する。中部空港は、本当に便利でいい。味仙の台湾ラーメン、世界の山ちゃんの手羽先、蓬萊のひつまぶし、矢場とんの味噌カツ、確か名古屋名物と言われるものは殆ど揃っていたと思う。便数が少ないので、チケットが高いのが玉にきず。

搭乗が始まった。

暑い。

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いやぁ。暑い。タクシーを開けると、熱風が吹き込んでくる。

ほんの二・三日前まで、北京は過ごしやすい気候で、夜は路上で呑む事も少なくなかったのに。現在、事務所の引っ越しの作業中で、力仕事が多い。汗が吹き出してくる。ただでさえ汗かきなのに。

明日、26日より一週間程日本へ戻ります。東京、名古屋、浜松あたりに出没予定。29日は、麻布十番近辺で飲み会をやろうかと思っています。お時間ある方は、是非連絡を。

ディスプレイ

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酒の席での話がきっかけになって、北京と天津で店舗を抱えるガンガンデリカテッセンさんのパンの陳列棚を設計する事になった。オーナーの若いお二人については、東京の古い友人づてに話は聞いていたが、1年程前にたまたま直接お会いする機会があり、それ以来仲良くさせて頂いている。

何か面白い事をやりたい、今後の店舗展開も視野に入れて、試しに実験的にやってもらってもいい、との事で毎週のように打ち合わせ(という名の飲み会、またはレストランやベーカリー巡り)をしながら楽しく作業をした。だが、中国の場合、製作が設計通りに行く事はまれで、家具であれば一度はモックアップを作った方がいいのだが、今回は時間や予算の制限もあり、構造や照度計算をした上での一発勝負になった。

設置後、施主の一番の希望であった容量の拡大は達成され、またお店での評判も悪くないようだが(特にガイジンさんはヴィヴィッドな反応をしてくれるらしい)、僕的には、設計通りに行かなかった点がいくつかあり、少々心残りだ。中国の材料や制作方法に対するローカライズに、もう少し注力すべきだったようだ。ガンガンさんが出店数を等比級数的に—それこそガンガン—伸ばしてゆく頃までには、課題を解決して、満足のいく設計にしなければ、と思っている。

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Mizuma & One Galleryでの仮組みの風景。

棚の詳しい仕組みについては、近いうちに事務所のページの方に書きます。

この棚は、ガンガンデリカテッセンの北京店(朝暘区門外6号新城国際12号楼21-22「PEKOTAN」内)に設置しています。お二人が自信を持って提供する美味しいパンをご購入ついでに、是非御覧下さい。

茶室研究

堀口捨巳という建築家/研究者が書いた「茶室研究」という本がある。学生の頃、大学の図書館で見つけ、よーし読んでやるぜと開いた所、旧仮名漢字。送り仮名は全部カタカナでいきなり挫折した思い出がある。

建築家は、ある程度年をとると、茶会に出没したりして、お金持ちの人脈作りに励むんだよ、とどこかで聞いた事がある。茶会に着て行く服すらない僕にとっては、そういった所に出入りするようになるのは夢のまた夢だけれど、日本建築の様式美の極致!と言われては、そりゃ興味もわく。

最近、ある仕事で、施主と打ち合わせを重ねるうちに、その施設の一部屋を「茶室に見立てる」事になった。見立てるだけで、実際の用途は違うので、そこで茶会が開かれる可能性はほぼないけれど、「無理すればできないことはない」程度にはしたいと思った。建築家が設計した現代的な茶室は数あるけれど、茶人たちには概ね評判が悪いらしい。そこに新たなタイポロジーを加える事になるのは避けられないだろうが、せめて、茶道を知る人に鼻で笑われないようにはしたい。そこで、茶室、茶道、茶道具に関する本を幾つか買い込んで目を通した。

茶室は日本の建築美の神髄、なんて思われている節があるが、大陸文化の影響を抜きには語れない。日本文化の本を読みながら、結局は中国に戻ってきてしまうという経験は、これで何度目だろうか。千利休の天才によって、単なる「大陸への憧れ」の発露だったものが、「日本文化の神髄」へと転換していった。そんな歴史が垣間見える。


“しくみ”で解く茶室 (チルチンびと建築叢書)

茶室設計の入門書。ちょっと専門家向きだが、読みやすい。怪しげな本が沢山ある茶室の本の中では、一番まともに感じた。本屋に一緒に行った人は、たまたまこの本を読んでらして、「面白い本ではないですよ」と言っていたけれど…


茶室の解明―平面データ集成

1159件の茶室を分析して統計化、そのうち500件は平面図を載せているという凄い本。ライフワークの集大成。茶室の設計は、決まり事が多いようでいて、一方でルーズなところもある。設計者としてはどこまで自由にやって良いかが分かりにくい。本来は、主の「粋」を表現する建物だったのだから、自由であってしかるべきだが、自分がやろうとしているプランが、どのくらいセオリーから外れているかを推し量ることができる。


…ところで、その「茶室に見立てる」部屋の件。色々本を読んで設計を始め、模型を作ってみたら、そのまんま茶室になってしまった。うむー。だから茶室じゃないんだってば!と自分に言い聞かせながら、他の方法を模索している。

名古屋へ

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大変ご無沙汰しました。

忙しかった、といっても、全く日記を書けない程忙しかった、というほどでもない。ちょっとした事で書かない日が続いて、億劫になってしまった。ブログというものは面白いもので、月に1回とか2回とか、時たま書いていたりすると「ああ、この人このごろは仕事がなくてヒマなんだな」なんて思われてしまうが、毎日こまめに更新しているような人は「この人は忙しい合間を縫って凄い!」と思われる。人間の特性なのか、日本人の特性なのかは知らないが、人々は、どうやら、ヒマなのは恥で、どちらかというと「忙しい人」と思われたいようだ。かくいう僕も例外でなく、どうせ書くなら「この人は凄い!」と思われたい。というわけで、毎日とはいかないまでも、できるだけ更新してゆきたいと思っている。

休止期間には、北京、東京、名古屋をヒョコヒョコと移動していた。友人の結婚式に、神戸にも行ったか。

写真は、名古屋界隈では特に評判の良い、名古屋駅前のモード学園ビル「スパイラルタワー」。時間が空いた時に、荷物をゴロゴロと引きずって行ってみた。超高層ビルは、構造や設備の制限が大きくなるため、北京のCCTVビルのように大きな政治的意味や資金力がない限りは、形のバリエーションは限られている。

最近流行っているのは、「ねじった」高層ビルで、これは、外装やコアの問題がシステマティックに解けさえすれば、技術的にはそれほど難しくないようで、最近の高層ビルのプロジェクトではよく見かける。この名古屋のビルは、その中でも非常に良くできていて、大きすぎず小さすぎず、形もよく、また程よくアルゴリズミックな感じ…コンピューターを使ってるぞ!的な未来感、とでもいうのかな…もある。

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