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動かないから高い。

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東京近辺で、年収7−800万円のサラリーマンの人達が購入するマンションは、坪当たり200−250万円くらいがボリュームゾーンではないか。そのうち、マンション自体の建設費用は、70−80万円/坪といった所だと思う。

以前の同僚に「車は安い」という持論を唱えつつ、車をバンバン買い替えている人が居た。詳しくは知らないが、トヨタのカローラは150万円くらいだろう。これには、リクライニングするチェアや、冷暖房、ちょっとした鏡がついていて、窓は曲面強化ガラス、外装はプレス成形のスチールに最高レベルの塗装である。おまけにエンジンというスグレものの力で自走してしまったりする。設計にあたっては、最高レベルの技術と試行錯誤が積み重ねられている。

同じ150万円でどんな建物が建つと言うのか、と彼はいう。確かに、6畳のガランドウの部屋しか出来ない。電灯や空調くらいは付けれるかもしれないが、給排水やトイレ・バスは無理そうだ。モーターの力で窓が開くギミックなんて夢物語だ。ましてや、動くなんて。

全くだ。本当に建物って割高だな。トレーラーハウスに住む人の気持ちがわかる。

逆に言うと、建物は動かないからこそ高い、とも言える。材料も、作り手も、敷地までやって来なければならない。敷地に対応する一品生産品だから、値段の基準がよく分からない。よく分からないから、値段の仕組みはブラックボックス化する。このブラックボックスに光をあてて、施主に説明しつつ、コストのバランスを取るのも、僕らの大切な仕事だ。

中国のマンションの建設費は、平米あたり3000元強。坪/日本円に直すと、だいたい18万円/坪くらい。内装、設備が無い状態で引き渡されるので、内装をするのに7万円はかかるだろう。合わせて25万円、日本の約1/3だ。対して、車は高い。税金のおかげで、カローラも350万くらいするらしい。

中国では「車は安い」説は成立しなさそうだ。

写真は物件の照明テストの様子。

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