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海南島

中国では、近年、年末年始に休みを取る習慣が浸透しつつある。とはいっても、すぐ後に旧正月の大型連休が控えているので、三が日を休む程度。この休みに合わせて、慰安のための行事を行う会社も多いという。日本では、よっぽど結束力の強い会社くらいでしか慰安旅行なんてしないと思うけれど、中国では、スタッフのモチベーション維持のためにも、こういった社内行事は大切らしい。みんな数週間前から楽しみにしていた。日本も、昭和の頃はこんな感じだったのかなぁ。他の設計事務所の慰安旅行に便乗して、超弱小設計事務所の我々も慰安してみた。

4泊5日で一人3000元(4万円強)。バス、食事、ほぼ全て込み。殆どの食事は中国風…例えば朝食は、飯もしくは粥、饅頭/マンジュウじゃなくてマントウの方、焼きソバ、ゆで卵などの、炭水化物を中心にしたメニュー。まともなホテルの朝食は1度しか無かった。やたらと買い物ポイントに連れて行かれるし、たぶん中国では安ツアーの部類に入るんだと思う。少々割高に感じるが、中国人にとってもそうらしく、ほぼ同じ予算でタイやマレーシアへの旅行ができるとあって、最近は海南島旅行の人気は下降気味だという。

海南島は、北京から飛行機で4時間弱と、実は東京より時間がかかる。慰安旅行とは言え、家族ぐるみでの参加となる。恋人や配偶者をつれて来ている人も多い。幹部クラスは、両親を連れてきていたりもする。総勢30人強のツアー。

個人的には、旅行会社を通じて行って、現地でオプショナルツアーに参加した事は何度かあるが、フルパッケージのツアーは初めて。朝早く(6時半起き!)から晩まであちらこちらへ連れていかれ、かなり過酷な旅だった。全然バカンスになっていなかったけれど、中国人の団体旅行客に一人混じって色々観察しているのは、なかなか面白かった。

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海南省の省都、海口に着いたのは大晦日の夜。けっこう肌寒い。誰だ、海南島は暑いと言った奴は!と毒づきながらカウントダウンして乾杯。

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微妙な合成写真が跋扈する中国。もうちょっと頑張ろうよと思う。

元旦、スキューバダイビングの体験コースをやってみる。30分で500元くらいで、一人に一人、インストラクター?がついてくれる。少々海がしけていて、海の透明度はイマイチだけれど初めての事なので興奮し、7−8メートルは潜る。耳抜きをしたら、ピー!と音がしてビックリする。機会があったら、ライセンスを取って自力で潜りたいなぁ。

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ガイドがいくらくらいキックバックを貰っているのか知らないけれど、一日に2カ所くらいは買い物ポイントに連れて行かれる。ここは水晶アクセサリーの工場。ヤシパウダー、珈琲、お茶、いろんな所に行かされたが、ほぼ全てマニュファクチュア状態の工場だった。えー!クッキー手で焼いてるよ!なんて驚いていたら、「機械より人件費の方が安いんだよ。ここは」と冷静に諭された。そりゃそうだけれども。

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大抵、こんな展示コーナーがあって、

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その後にこのような売り場に誘導される。連れてきた旅行会社がキックバックを受け取るというカラクリは来る側も了承済みのようだが、それでもこの熱気!マス・ツーリズムを実感する。

マカオで中国人旅行客が「買い物が多過ぎる」と暴動を起こした事件があったらしい。僕は、「こうやって売りつけるのかー」なんて感心していて、それなりに楽しんでいたので暴動するには至らなかった。

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ここは最終日に行った果物市場。マンゴーが山積み。海南島ではドリアンは生産しておらず、タイからの輸入になるので、ドリアン以外は安い。例えば、マンゴーはキロ辺り日本円で100円くらい。

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コーヒー工場。コーヒーは、最終的には高級な嗜好品になるのに、生産の現場は決まって悲惨だ。ここは、スリランカとかよりは遥かにマシだろう。ヤシの実の粉とインスタントコーヒーを混ぜたものが美味しく、一袋買う。ちょっと甘過ぎるかも。

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撮影が禁止されていたので写真が無くて残念だが、買い物でいちばん面白かったのが「南海軍鋼」という会社。名前の通り、人民解放軍営の企業で、主に砲弾を作っているが、ここも民営化の波にさらされている。現在では、軍関係の製品は80%で、残りは民生用の製品を作っているらしい。で、ここでは何を売りつけられるかというと、包丁セットなんである。グループ毎に演壇のある部屋に通され、そこに人民解放軍の少尉クラスが登場して敬礼、実演販売する。その少尉が素晴らしい手つきでキャベツや大根を切り刻み、包丁をガンガンぶつけて「ほら、刃こぼれしてないでしょ!」とやり、あげくの果てに「包丁三本と包丁台、研ぎ器、永久保証、さらにピーラーもつけて、何と298元!」とやる。この少尉、見るからに優秀そうな軍人だが、内心忸怩たる物がないのだろうか、なんて考えてしまう。面白すぎ。

これがまた、結構売れるんである。ある若いカップルは、それぞれの両親に2セット購入していた。「解放軍は、ある意味最強のブランドなんですよ」なんて言っていた。さすがに包丁セットは要らないが、帰りに買い物コーナーで十徳ナイフを購入。38元、600円弱くらい。

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「天涯」という観光地。浜辺に奇岩がゴロゴロと横たわる。清の時代に、流刑などでここに追いやられた人々が、岩に文字を刻み、都を偲んだらしい。北京なんて汚いし、別にココでゆっくりバカンスすりゃいいじゃん、なんて思うのは現代人だからだな。

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救いがたい彫刻のはるか向こうにあるのは、中国版「夫婦岩」みたいなもの。この公園、非常に良く整備されていてキレイなのだが、計画に全然地域性がなく、つまらない。中央からやってきた権力者に決定権があり、いつも中央の同じ機関が計画するからだろう。

同じ事が中国の都市計画にも言える。外国人の目には、どの都市も似たり寄ったりで同じに見える。改革開放前は、地域によらず、ほぼ全ての建物が標準化され、同じ図面で建てられていた。そりゃあ同じ街になっちゃうよ。クライアント達は、すべからく「ここの地域性を生かして欲しい」というが、現在の都市は、生かすべき地域性すら無くなってしまっている。突如出現した都市のように、地域性すらない例も多い。「共産」中国が抱える課題の一つだ。

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「夫婦岩」の前は絶好のカップル撮影スポット。

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「蝦支洲島」というリゾート開発された島に一泊。中国風の建物が乗っかった埠頭に高速船が着岸する。ブリティッシュ・ピアみたいで可愛い。コテージに一泊、一部屋900元弱。2万元近くする豪華なヴィラもある。この島に3泊くらいゆっくりしたかった。観光資源としては素晴らしい。他の観光客のお行儀と、スタッフのサービスさえマトモならば言う事ないのだが。でも、おすすめの場所。

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海辺の東屋でゆっくり読書もできた。

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ビーチもキレイ。

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「タイの女の子のショーがある」と連れて来られた劇場。来てみたら、シーメイルのショーだった。4000人近くが固唾を飲んで見守る中ショーは進行。男女ともに喜んでいる。後半には中国人のシーメイルも登場。ルックス的にはタイの方が上か。なんでも、これは、華僑パワーの影響が大きい経済特区の海南島だからこそできるショーらしい。ちなみに中国では、シーメイルの事を「変性人」という。なんとも可哀想な訳に思えるが、「おかま」よりはマシかもしれない。機内で福岡伸一の「できそこないの男たち」を読んだばかりだったので、色々考えてしまった。

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植物園。国の機関「熱帯植物研究所」の研究員が案内してくれる。

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で、やっぱり、最後はその研究員がお茶を試飲させ、購入を勧める。しかし、「南海軍鋼」といい、中国の国営機関はどこも大変ですね…。NHKのBS特集「庶民の改革開放30年」に出てきた瀋陽の国営工場の話を思い出した。

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