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November 2008 Archive
なかなか終わらない。
- November 26, 2008 1:18 AM
- architecture/design | china

ここで何回か触れた例の碁会所が、「一応」完成して、写真撮影をした。詳しくはこちら。一応、というのはこれから家具類を考えなければならないから。ゴリゴリとデザインしたオリジナル家具を、ここぞとばかりに入れたい気持ちも無いわけではないけれど、部屋の用途から言ってあんまりケバケバしいのは似つかわしくない。きっと、色や材質に少しばかり配慮した普通のものになると思う。
お客さんは、模型を見ても、完成予想図を見ても、今までに訪れる事のある建物のイメージを重ね合わせながら見ている。良質な作品に触れる機会が多い東京とは違って、北京のお客さんに空間の質を理解してもらうのは難しい。また、こちらとしても「今までに見た事無いもの」を目指しているので、説得はなおのこと困難になる。今回は時間もあったので、家具以外の内装の出来上がり具合をまず見せて、クオリティーを実感してもらってから家具を提案する、という多少回りくどい作戦を採ることができた。
もちろん、途中色々あったが、施工が頑張ってくれたおかげで、比較的楽な仕事だった。日本資本が入っている施工会社で、「日本の設計がどれだけシビアかは知っているよ」とモックアップの作成を快く了解してくれた。380平米という規模は、中国では著しく小さな部類に入るので、なかなかモックアップを作ってくれることはない。努力のかいあって、なかなかのクオリティーになっている。
家具が入るまで、もうちょっと。
ついにオープン(ジム編)

…って、最近似たようなタイトルのニッキを書いたような気もするけれど。
僕は人一倍飽きっぽい方だが、スポーツクラブはなんとか続いている。というより、逆に盛り上がりまくっていて自分でも怖くなる。なんとか早めに仕事を切り上げ、8時過ぎには家に戻ってウェアに着替えてイソイソと出かける。4日に3回くらいは行っているんじゃないだろうか。帰ってからも、一度は飲んでみたかったプロテインやアミノ酸を試してみたりとか、ネットで読んだストレッチをやってみたりとかしている。習慣的に運動をしたことがないので効いているかどうかは全然分からない。食生活自体はあんまり変わっていない。体重計も体脂肪計も無いので痩せているのか、太っているのかも不明。痩せたね、と言われる事もあるが、最近バッサリと髪を短くしたのでそれのせいかもしれないし。
「すぐに出来る!」と言われていたジムが、1ヶ月遅れてやっと使えるようになった。それまで顔パス状態だったのだが、突然会員証の提示を求められる。どうして?と聞くと、「正式オープンしたから」なんだそうだ。この一ヶ月間はモグリ営業だった、という衝撃の事実。
というわけで最近は筋トレも始めた。大学生以降の運動不足で退化しまくった筋肉は、ちょっとやそっとのサプリメントでどうにかなるものではない。筋肉痛と暮らす毎日。痛むカラダをやっとの事で折り曲げて、贅肉がまとわりついた三段腹を眺め、倍の数に割れた姿を想像してニヤついている。我ながら非常に気持ち悪い。
日本だと、軽いウェイトでギャアギャア騒いだり、短い距離を泳いだだけでゼエゼエ息を切らそうものなら、軽蔑の入り交じった視線を投げ掛けられるだろう。いや、実際は、みんな、そんなに他人の事なんて気にしていないのだろうけれど、良くも悪くも、そういう視線を気にせざるを得ない空気が社会に充満している。いや、ちょっと話を広げすぎた。少なくとも日本のジムはそんなオーラを放っていて、それが、僕らの足を遠のかせている。僕ら、とか勝手に一括りにしてしまったけれど、クリオネ並みの小さい心臓のくせに自尊心はイッチョマエ、そんな僕らのプライドは、10キロくらいのウェイトでギブアップする事を許しはしない。隣のマシンにイイ感じの女の子が居たらなおさらだ。美人トレーナーに慰めの言葉なんてかけられたら死んでしまいたくなるだろう。無理しちゃう。だから、きっと、続かない。
幸い、ここのスポーツクラブは周りの目を気にしなくていい。みんな思い思いに好き勝手やっている。こちらも好き勝手にウギャーウギャー騒ぎながらウェイトを上げている。トレーナーらしきスタッフも居るには居るけれど、自分自身のトレーニングをやっている有様。声をかけない限り近寄って来ない。まあ、たぶん、質問しても期待するような答えは返って来ないだろうし。
プールでも、みんな好き勝手に泳いでいる。まともな水泳の授業を受けていない若者達はメチャクチャな泳ぎ方をする。反対に、水泳を愛した毛沢東の影響だろうか、泳ぎのうまい人は熟年層に多い。でも、みんな平泳ぎ中心で、クロールをキチンとしたフォームで泳げる人はまず居ない。クロールができればちょっとした優越感に浸れる。背泳ぎやバタフライを泳ごうものなら羨望の眼差しを浴びる。
僕はスポーツはからきしダメなんだけれど、泳ぎだけはできる。カナヅチの父は、水泳の授業がイヤでイヤでしかたがなかったらしい。「走るのは遅くても走れるが、泳ぎは泳げないと泳げない」と、僕をスイミングスクールに通わせてくれたお陰で、両親の運動神経ゼロの血を正しく受け継いだ僕でも、泳ぎに関しては比較的まともだ。競泳なんて実に20年ぶりくらいだが、カラダがフォームを覚えていた。三つ子の魂百まで、とは大げさだが、バタフライの息継ぎのタイミングを思い出したときは嬉しかった。
というわけで、プールから上がった後のサウナでは、「おまえ泳ぎうまいよなぁ」とよく声をかけられる。日本ではなかなか味わえない優越感が、明日も僕をマンションの地下へと向かわせる。予定だ。
写真:中国は上海蟹の季節。絶望的に可愛くないキャラクターを見つけてしまった。上海蟹はオスとメスがあり、オスにはミソが多く、メスには卵がある。それぞれに美味しいとされる季節がある。甲羅をむしり取り、中のミソや卵をシャブリ尽くし、手足を引き裂きつつ歯で砕きながら美味しく頂く。そんなとってもグロテスクな食べ物を、擬人化する必要がどこにあるのかね。却って食欲無くしそうだよね、とか思いながら、やっぱり美味しく頂きました。
健身その後
- November 2, 2008 5:57 PM
- architecture/design | china

最近のランチ。いつもニコニコ看板娘の彼女は、山西省出身。ほったて小屋みたいな店を任されている。暇な時にはファッション誌を読んでいる…半分くらいはダイエットの記事。
オリンピックの前後は、僕のオリンピック景気への期待とは裏腹に、はっきり言ってヒマだった。工事は止まるわ、経済も停滞するわで、スタッフも「暇すぎて気が狂いそう!」とか言い出して、事務所の雑誌を読みふける始末。度を超してヒマになると仕事に対するモチベーションまでが低下してしまう。経済的な事も心配だけど、そちらの方がもっと深刻だ。このニッキに「ヒマだ!」とアピールした所で、仕事が来る訳でもない。他の日本人建築家は大陸を飛び回って仕事をしているのに、こいつは中国まで行って何やってるんだ!と、お客さんを躊躇させてしまうだけだろう。
当然、僕自身も先行きに不安を抱えるわけだけれど、所詮外国人なので、やれる事は限られている。ジタバタしても仕方がない。僅かに進む工事の監理をやるほかは、仕事がありそうな知り合いに電話をかけたり、広報活動をちょろっとやったりくらいしかできなかった。スポーツに縁遠い僕が、突然スポーツクラブに行きだしたりして「一体何が起こったの!かえって心配!」と身近な人々を心配させたのも、まあいってしまえばヒマのなせる技だ。
街を行く妙齢の女性達が、思わず面積を算出してしまいたくなるような、もっと言うと三つの角を合計すると2直角になる事を確認したくなるような。このヒマな時間をつかって、そんな逆三角形になってやる!と思っていたのだが、なかなかうまくいかない。クラブに通い始めると時を同じくして、ドカドカと依頼が来て、ニワカに忙しくなってしまった。正直、今のスタッフ数では全然廻らない。だからといってまだ設計料を貰える段階まで行っていないので、スタッフを増員するわけにもいかない。結果、僕自身に多量のタスクが降り掛かって来てしまう。やってきた仕事は他の事務所との共同作業で、北京中心部へ毎日行かなければならないので、ジムが空いている時間に帰ってくるのは難しい。時間を見つけてはなんとか通っているが、最近は行けて隔日くらい。

先日、おっ!今日は泳げそう!と急いで家に戻り、素早くジャージに着替えて行ったところ、受付で「今日はプールが壊れてて泳げない!」と言われてしまった。プールって、壊れるモノでしたっけ?と憤りつつ、運動する気満々だっただけに、エネルギーのやりばに困って近所を散歩してしまった。
「直ったら電話するから」と言われ、その後2ー3日待っていたが、一向に連絡がない。痺れを切らして電話すると「ああ、もう直ってるよ」。おいおい…と思うが、長いこと中国に居ると、そういう事は慣れっこになってしまうんだな。
受付嬢に「ジムに機械が入って来てるよ!まだ設置中だけど」と言われ、様子を見に行く。凄い!パタパタして胸筋を鍛えるアレや、足を鍛えるアレ、なんて言うか知らないけれど、おそらく舌を噛みそうな長い名前であろうアレ達が大量に置かれていた。足の踏み場も無い…つーか、多すぎないか?レイアウトも考えずに勢いで買ったんだろう。ストレッチどころか、人が歩くスペースすらない。多すぎない?とスタッフに言うと、まったくお前の言う通りだ、うん、もっともだ!というリアクションをされた。
このスポーツクラブ、突っ込み所満載だ。人の居ない時間帯に行くと、電灯が消えて真っ暗だったりする。おかげで、施設内のスイッチの位置を覚えてしまった。ルームランナーのスイッチを発見したのも僕だし、スイッチの位置に関してはスタッフより詳しいかもしれない。唯一、まだ良く分からないのがサウナのスイッチの入れ方で、これはスタッフに頼まなければならない。おーい、そろそろ上がるからサウナ入れといてくれー!と行く度に叫んでいるが、サウナは電気を食うらしく、なかなか入れてくれない。暖まるのを待つのは嫌だからさぁ、とその度毎に説得する。
最高に褒めて言えば、アットホームな雰囲気だな。働いているスタッフの人柄は悪くない。