June 26, 2008
オリンピック浄化
先週、東京、名古屋と、5日間程日本に戻っていた。中国の再入国は、ちょっとドキドキした。
これまでこのニッキでは、「オリンピックに向けて何々が進行中」みたいな話題を何度もしてきた。マナーの改善やら施設の整備、取締りの強化やら。6月に入ってから、こういった「活動」が一気に加速して来ている。海賊版DVDショップやら、日本人ビジネスマンを相手にした水商売の店、床屋の形をした違法な性風俗店(合法な性風俗店なんてこの国にはないが)が、当局の取締をうけてバタバタと店を閉めているという。注意したいのは、「閉めている」のであって「たたんでいる」のでは無いという点。オリンピックが終われば何事も無かったかのように商売を再開しそうだ。少なくとも大抵の北京人はそう信じている。
つい先日、打ち合わせの帰りにニセモノで有名な市場に立ち寄ったが、ここもキレイさっぱり浄化されていた。内装はキレイに作り替えられ、売り子のユニフォームは一新され、ニセモノどころか、「ギリギリ感」漂う商品すら店頭から消えている。以前、ニセモノブランド時計を売っていた売り子達は、今は洋服の生地やらアクセサリーを売っているそうだ。北京の妖しい場所が次々と消えて行ってしまうのは、やはり少し寂しい。子供の頃にはそこかしこにあった合成着色料バリバリの駄菓子が、次第に消えて行った事を思い出す。これが経済発展というものなのかな、とも思う。
不良外国人ーーホンモノの不良も居るかもしれないが、殆どは「政府にとって都合が良くない外国人」だろうーーが入国審査で拒否されるケースも増えているらしい。伝え聞いた話では、あるヨーロッパ人は、skypeでチベット問題について激しく語っていたところ、当局のブラックリストに載った、というような説明を受けたんだそうだ。中国のskypeは他の国のように暗号化されておらず、中国が誇る巨大ネット検閲システム「金盾」(またの名を「グレート・ファイアーウォール」)でも検閲可能という噂だが…でも、そこまでカッチリ管理できるもんなんだろうか?というより中国人がするんだろうか?
中国の政治のやりかたは、官僚が冷徹に政治をしている日本とはちょっと違って、細かい所は目をつむり、全体が崩壊してしまうような重大事のみを対処しつながらファジイにコントロールしてゆくような所がある。その政府がここまで徹底して北京の浄化に躍起になっている…彼らのオリンピックにかける気合いは相当なものだなぁと思う。
酒も女もニセモノも興味が無く、政治的な発言も活動も一切しない。そんな「完璧」な外国人じゃないと、オリンピックの時には北京に居られないかもしれないね、なんてローカルと笑い合っている。
というわけで、僕も今のところ国外退去にはなりたくないので、これからオリンピックまでは、これまで以上にユルーい内容になると思います。どうぞ御了承下さい。

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年 07月号 [雑誌]
チベット問題やら食品騒動で、オリンピックを狙って出版された中国関係書籍の売り上げが伸び悩んでいるらしい。
投稿者 tofuku : June 26, 2008 11:56 PM