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July 2007 Archive
驚異の建築
- July 23, 2007 7:08 AM
- architecture/design | china
中国の建築専門サイト、ABBSの掲示板より、「この案を見たとき、吐きそうになった」とのスレッド。看板の後ろ側では、実際に工事が進行中のようだ。
…直喩だ。…いや、でもこの看板を見る限り、この建物の用途は音楽にぜんぜん関係なさそうだ。
大学で初めての設計課題は、「ユングの家」という題だった。大学入りたて、しかも理系の小僧たちにユングと言ったってピンと来るわけがない。中に、アルファベットの「J」の形をしたプランを描いた生徒が居た。なんでもユングの頭文字の「J」なんだそうだ。「バカモンッ!」センセイの雷が落ちた。
シュンとしてしまったその生徒を「ユングが『Y』でなくて『J』だって知ってるお前ってすげーよ!」と皆で慰めたのを思い出す。今思えば単なるイヤミだな。いや、それがイヤミにならないくらい、僕らは無知で無垢だったんだよ。きっと。
…まあとにかく、設計のセの字も知らないような僕ら、設計に関してなんらタブーを感じていなかった僕らでも、せいぜい「J」止まりだったというわけだ。ユングの胸像の形をした家や、似顔絵の形のプランを描くのは、いくらなんでも憚られた。まあ、銅像や似顔絵は制作が面倒だっただけなのかもしれない。でも、少なくとも、そんな面倒を乗り越えてまでやり遂げたいものではなかったということだ。
で、このピアノ&バイオリン。そんな可愛らしい次元はとっくに突き抜けている。日本の片田舎にあるポット型喫茶店なんかメじゃない。グランドピアノの3本足まで忠実に再現しようとするこの意欲、ぜひ見習いたいものだ。
掲示板の書き込みには面白いコメントが書かれている。
「おお!この案にはル・コルビュジェの『近代建築の五原則』が実践されているぞ!
1.ピロティ
2.屋上庭園
3.自由な平面
4.自由な立面
5.横連窓
全部ある。巨匠も天国で喜んでいるだろうよ!」
…気付かなかった。確かに。
「施主は誰だか知らないが、天才に違いない」
…まったくだ。
肉マンとメディアリテラシー
- July 20, 2007 12:34 AM
- china
御無沙汰しました。
日記を継続するには習慣化する必要がある。なので一度書かない生活が定着してしまうと、復帰するのが難しい。今回の事件は、復帰する良いきっかけになればと思う。
2か月ぶりの更新になる。水着美女による写真ブログならともかく、もうすぐ35になろうかというオッサンの日記。ただでさえ興味を持つ人たちは少ないところに、2か月という時間は、熱心に読んでくださっていた数少ない方までが忘れ去るのに十分だ。書いてた本人すら忘れかけていたくらいだ。悲惨なことになってるんだろうなー、とアクセス解析を覗いてみてビックリした。増えてる!それも、倍近くに。増えた分は日本からのアクセスが多いようだ。
このところ、輸入ウナギ問題、段ボール肉マン問題、偽ミネラルウォーター問題と、主に食の問題がらみで中国に対する興味が増してきているようだ。アクセス数の「ウナギのぼり」も、おそらくそれと無関係ではないだろう。(うまいこと言った?そうでもないな。)
段ボール肉マン報道を初めて知ったのは日本からのメールだった。「こんな報道がされてるよ。食べ物に気をつけて。」という程度の内容だったが、それを読んだとき、2005年春の反日デモを思い出した。あの時も、自分は比較的冷静に受け止めていた…というか半分面白がっていた…ところに、日本からメールがたくさん来た。もちろん、心配してメールを送ってくれた皆さんには感謝しているが、そのメールの文面から日中の温度差、もっと言えば日中のメディアの報道に対する受け止め方の違いを、あからさまに感じてしまったのだった。
インターネットを通じて、地方都市で半日デモが次々と行われている事は知っていた。今週末は北京かもしれないな、と思っていたところだった。実際現実のものとなり、施主の責任者から「今、三環路のあたりをデモ隊が通過しているので、近寄らないように」との電話が来た。施主から(英語の通訳を通じてだったが)直接連絡が来たのは後にも先にもこの一回かぎりであることから、かなりの緊張であったことが想像される。事実、あとから聞いたことだが、職場のある学校には、学生が便乗して暴動を起こした場合に対処するため、休みにも関わらず党書記が出勤していたそうだ(中国の学校には学校の運営者とは別に、お目付け役として党から書記、副書記が派遣されている)。
とはいえ、デモが起こっている場所以外は平穏そのものだった。中国政府の情報操作の成果も勿論あるだろう。でも、他へ波及しないように政府に情報を統制され、口コミやケータイを通じてデモの存在を知る中国人達と、一日中たけり狂うデモ参加者の姿が繰り返し放映され、それを見続けている日本の人達。どちらの人々が印象操作を受けているかは明らかだろう。
中国人たちは、ただでさえ入ってくる情報に対して冷淡である。文化大革命で懲りたのだろうか?それとも政府の検閲を受けた「大本営発表」に倦んでいるのだろうか?どちらにせよ、情報に「煽られにくい」性格が、中国人の中に醸成されているのを感じる。反日暴動の時も、それは知ってるけれども俺は目の前の金儲けで忙しいよ、そんな反応が多かった。
何が言いたいか。中国人は、メディアリテラシーの面からいえば、日本人より上を行っているかもしれないと思うのだ。
肉マン事件は、それがヤラセ報道であることが発表された事で、かなり滑稽な事態になった。北京テレビの報道に飛びつき、それを日本に繰り返し流した日本の報道機関。それに煽られ騒いでいた人々は、ヤラセ発表によって梯子を外された格好になった。そうしたら、「政府の圧力があったに違いない」と恨み節を言うしかない。その可能性ももちろんあるし、それだってメディアリテラシーなんだけれでも、ちょっとカッコ悪いよね。このニュースに対する中国人のクールな反応を知った後は特に。
中国は日本人が考えているよりススんでいる。でも、中国の食品が安全だということにはならないよ。もちろん。