- March 16, 2007 1:09 AM
- architecture/design | china | news
某巨大掲示板や、いろいろなニュースサイトで話題になったニュース。以下、引用の上に超省略/超意訳。
******************
重慶のディベロッパーが、立ち退きを拒否した住民の家の周りを9メーター以上も掘り下げ、島にしてしまった。地元紙ジンバオ日報が報じた。住民は立ち退き料として約3億円を要求しており、ディベロッパーは対抗措置としてこの手段に出た。「3億円を欲しがり続けるか、この世の終わりまであそこに居続けるかです」とは不動産会社のセールスマンのコメント。
******************
まさに、相対的な「地上げ」(笑)。つーか、立ち退こうにもこれじゃ出れないんじゃない?と、突っ込みたくなる。凄い画像なので、是非ご覧下さい。
中国では地下部分は丸掘りしてから工事を始めるのが普通なので、中国で建設に携わってる者としては、このような切り立ったガケは見慣れている。いやホント、さすがに「島」にはならないけれど、地下工事をやってる時は本当にこんな感じなんですよ。

たぶん、おおかたの人は「中国ってメチャクチャ!人権無視の国!」という感想を持つんだろうが、僕の感想はそれとはちょっと違っている…というかむしろ逆で、「土地は全部国有なのに、居座ることなんて出来るんだ!」という驚きだ。結構な人権国家じゃないか。こちらに居ると、生半可なことでは驚かなくなる…
中国には有名な「拆」[chai1、チャイ]というシステムがある。突然、住宅の外壁に「拆」と書かれ、「何日までに退去のこと、どこどこに行けば立ち退き料が支払われる云々」というような情報が書かれた紙が貼りだされる。そんな強引な土地整理が中国の急速な不動産開発を支えているのだ。僕は、当然のように、居座ったものは力ずくで退去させられると思っていた。

ところが、ローカルに聞いてみるとそうでもないらしい。ディベロッパー関連の仕事を殆どやっていない僕が知らないだけで、実際は、似たような問題があちこちで起こっているんだそうだ。たてこもりは借家人の唯一の対抗手段らしく、「釘子戸」[ding1zihu1:ディンズフー/釘で打ちつけた家の意]と呼ばれるという。
もう一つ疑問なのは、今、なぜこのショッキングな画像付ニュースが重慶の地元紙から出てきたか、という事だ。ご存知の通り、中国の新聞をはじめとしたメディアは政府の強力な影響下にある。私有財産権の衝突をそのまま絵にしたようなこのニュースを、どうして報じる事ができたか。
ひょっとしたら、きょう(18日)閉幕する全国人民代表大会と関係あるかもしれない。今回は、私有財産権の保護強化を目的とした「物権法」が成立する見込み。この法律が名実ともに「共産主義」の終焉になる可能性があり、政府内部でも賛否が渦巻いているそうだ。
このニュースが出てきたのも、そんな政争の結果なのかもしれない…ま、それは勘ぐりすぎかな。
Comments:2
- さ March 16, 2007 6:11 PM
どっちかっていうと周りを掘ってでられなくしてやる!っていうより、もうしょうがねえから着工しちゃえ、って感じですね。それはそれで問題ですが。
上海の友人の事務所も再開発地区で、立ち退きの嫌がらせで夜中に投石されて窓ガラスを割られたりしてるらしいですよ。
日本の地上げ(ブラウン管の向こう側の話しかしりませんけど)と同じですね。僕もこちらの立ち退きはもっとスムーズ(というか強制力の強い有無を言わせないもの)なのかと思ってました。
- tofuku March 19, 2007 5:26 PM
> さ さん
しょうがないから着工しちゃえ、って感じは確かにありますね…地下は時間かかるから立ち退きはともかく始めてしまおう的な。日本的には信じられない事には変わりませんが…地上げは何処の国も一緒なんですね…