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March 2007 Archive
スローガンシティ #1
- March 31, 2007 3:52 AM
- architecture/design | art | china

街中であろうと職場であろうと、北京にはそこかしこに赤いバナーがベタベタと貼られている。内容は、スローガンじみたメッセージ、スローガンじみた標語、スローガンじみた注意書き…そしてそのものズバリのスローガン。功利主義者であり、自我の塊である中国人が、スローガンに書かれているからといってハイそうですねと従うとは到底思えないのだが…スローガンを書いている本人すら、その効果に疑問を感じているに違いない。




中国の赤 #1
- March 28, 2007 8:18 PM
- architecture/design | art | china
今日はヴィヴィッドな写真を。中国の赤。撮り貯めた写真から切り出してみた。




そういえば、今日の僕はシャツもパンツも赤い。
フートンファサード
- March 26, 2007 7:44 PM
- architecture/design | art | book | china


垂れ流しシリーズ2。
胡同地区。開発のアオリを受けて取り壊されまくっているとは言え、北京の2環路の内側ではまだかなりの数を見ることができる。観光コースには故宮、鼓楼周辺エリアなどがあるが、場所によって微妙に差があるようだ。これは故宮の東、北京駅近くのもの。それぞれの入口の設えが凝っている。ルネサンス風、中世風、そしてもちろん中華風…。たった10分程度歩くだけでも様々なバリエーションを見ることが出来る。それぞれの住宅の全体的な佇まいは殆ど変わらないし、材料も変わらない。でも、入口だけは頑張って自己主張している。中国人のメンタリティを見るようである。




幾つか写真に収めながら、これを集めるのも面白いかなぁ、なんて考えていた。ベッヒャーの「インダストリアル・ファサード」という写真集を思い出した。工場を正面から撮り続けたシリーズ。アマゾンに無いかな…?と探していたら、"TYPOLOGIES"という纏まった作品集があり、買ってしまった。
定点観測
- March 24, 2007 3:15 AM
- china
しばらくガッツリと書く時間がなさそうなので、「写真供養週間」として、今回から数回にわたって溜まった写真を垂れ流します。過去の写真と被るものも多いけど…
北京に住み始めた頃、中国語も分からないので部屋から出るのすら億劫だった。退屈しのぎに窓から見える交差点を何回か撮ったので並べてみる。今は引っ越してしまい、同じカットはもう撮れない。



3枚目の写真は、とある海外出版物に使われることになりそうです。詳細分かりましたらまたココでお知らせします。アマゾンで手に入るかどうかすら怪しい本(?)なんですが…
インペリアルミルクティー

あるお茶屋さんで、奶茶[nai3cha2:ナイチャー/ミルクティー]を頼んだところ、これが何とも美味しかった。材料は中国では簡単に手に入るモノばかりだったので、自分でちょっと真似してみた。試行錯誤しなきゃならないかな、と思ったが、一発でなかなかのものができた。きっと、作り方は多少ラフでも大丈夫だろう。
名前はロイヤルミルクティーに対抗してインペリアルミルクティーとしよう。「西太后が愛したミルクティー」と言っても通用しそうだ。ウソだけど。
<材料:3杯分>
・ナツメ:天日干ししたもの。中国ではポピュラーなスナックで、女子の友。小鍋に敷き詰められるくらいの量。
・枸杞(クコ)の実:中華料理だけでなく、漢方薬にも使われるオレンジ色の実。上品な甘みがある。一掴み。
・牛乳:500ml
・ティーバッグ:2つ、紅茶でもいいが、ウーロン茶や緑茶でも美味しくできると思う。茶葉でもいいが、分量やタイミングが難しくなりそう。
・砂糖
<作り方>
ナツメは、「洗わなくても大丈夫」と書いてあっても念のためキチンと水洗いをすること[3/20訂正]。洗ったら半分に切り、鍋に入れ、クコの実、牛乳を入れて火にかける。一煮立ちしたら、ティーバッグを入れてお茶を出す。これだけ。ナツメとクコの実の仄かな甘みのお陰で、日本人としては十分美味しく飲める。中国風に砂糖をタップリ加えて甘ったるくして飲んでもいい。出し殻?のナツメを食べてもおいしい。
陸の孤島と私有財産と
- March 16, 2007 1:09 AM
- architecture/design | china | news
某巨大掲示板や、いろいろなニュースサイトで話題になったニュース。以下、引用の上に超省略/超意訳。
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重慶のディベロッパーが、立ち退きを拒否した住民の家の周りを9メーター以上も掘り下げ、島にしてしまった。地元紙ジンバオ日報が報じた。住民は立ち退き料として約3億円を要求しており、ディベロッパーは対抗措置としてこの手段に出た。「3億円を欲しがり続けるか、この世の終わりまであそこに居続けるかです」とは不動産会社のセールスマンのコメント。
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まさに、相対的な「地上げ」(笑)。つーか、立ち退こうにもこれじゃ出れないんじゃない?と、突っ込みたくなる。凄い画像なので、是非ご覧下さい。
中国では地下部分は丸掘りしてから工事を始めるのが普通なので、中国で建設に携わってる者としては、このような切り立ったガケは見慣れている。いやホント、さすがに「島」にはならないけれど、地下工事をやってる時は本当にこんな感じなんですよ。

たぶん、おおかたの人は「中国ってメチャクチャ!人権無視の国!」という感想を持つんだろうが、僕の感想はそれとはちょっと違っている…というかむしろ逆で、「土地は全部国有なのに、居座ることなんて出来るんだ!」という驚きだ。結構な人権国家じゃないか。こちらに居ると、生半可なことでは驚かなくなる…
中国には有名な「拆」[chai1、チャイ]というシステムがある。突然、住宅の外壁に「拆」と書かれ、「何日までに退去のこと、どこどこに行けば立ち退き料が支払われる云々」というような情報が書かれた紙が貼りだされる。そんな強引な土地整理が中国の急速な不動産開発を支えているのだ。僕は、当然のように、居座ったものは力ずくで退去させられると思っていた。

ところが、ローカルに聞いてみるとそうでもないらしい。ディベロッパー関連の仕事を殆どやっていない僕が知らないだけで、実際は、似たような問題があちこちで起こっているんだそうだ。たてこもりは借家人の唯一の対抗手段らしく、「釘子戸」[ding1zihu1:ディンズフー/釘で打ちつけた家の意]と呼ばれるという。
もう一つ疑問なのは、今、なぜこのショッキングな画像付ニュースが重慶の地元紙から出てきたか、という事だ。ご存知の通り、中国の新聞をはじめとしたメディアは政府の強力な影響下にある。私有財産権の衝突をそのまま絵にしたようなこのニュースを、どうして報じる事ができたか。
ひょっとしたら、きょう(18日)閉幕する全国人民代表大会と関係あるかもしれない。今回は、私有財産権の保護強化を目的とした「物権法」が成立する見込み。この法律が名実ともに「共産主義」の終焉になる可能性があり、政府内部でも賛否が渦巻いているそうだ。
このニュースが出てきたのも、そんな政争の結果なのかもしれない…ま、それは勘ぐりすぎかな。
昨日のエントリー

昨日のエントリーですが、ネットの不調のせいで、後半を吹っ飛ばしてしまいました。ホント、中国の(というか働いている学校の)ネット事情はヒドいんです。
忘れないうちにと、メモとして書き留めたつもりだったのに…結局思い出しながらもう一度書く羽目に。昼休みが無くなってしまいました。
798とそれを含む北京のアート・エリアについては、美術館設計のために集めた資料があるので、時期を見てまた書こうと思っています。…といいつつ2年近くが経つんですが…
ここんとこの798
- March 13, 2007 10:30 PM
- architecture/design | art | china
先週、お客さんを案内するついでに、798を見てきた。丁度展覧会のオープニングシーズンだった。ちょっと書き出してみよう。

・798SPACEでは"The Terracotta Woman"というインスタレーションが。タイトルの通り、兵馬俑を女性へとコンバートしたもの。兵馬俑は全て男の兵士であり、ある意味、中国の伝統的男社会を表現するファルスそのものなのかもしれない。女性の兵馬俑たちは、赤子をあやすものあり、出産するものあり、経血を流すものあり…一つ一つ手間のかかった力作ではある。「中国人の作家も、こんな直球なフェミニズム表現をするのかぁ」などと思っていたところ、ノルウェイの作家の作品だった。中国人にとっては分かりやすい「現代芸術」らしく、幾つかの新聞で取り上げられているらしいが、僕はあまり面白いと思わなかった。

共和国建国以降の中国では、建前としては男女平等だ。事実、女性の社会進出はめざましく、仕事相手も女性がかなり居る。だがその一方で、人身売買まがいの売春が横行しているような所でもある。ミスコンもしょっちゅう全国放送されているし…中国人にとっては、性の商品化と男女同権は矛盾しないものらしい。そういう捻じ曲がったダブル・スタンダードが中国のジェンダー、ひいては社会全体の特徴であり、西欧世界の問題意識との差異だと思う。中国の女性作家が、そういうところに踏み込もうとしているのを考えると…ちょっとヒネリが少なすぎやしないか。
・イタリアのサン・ジミニャーノに本拠があるCONTINUA。北京の798に支店を出したお陰で、このギャラリーは一躍有名になったという。展覧会は"One Colour"。ギャラリーが白と黒だけで埋め尽くされている。カラフルな中国アートばかりを見てきた目にとっては、眩暈を生むほどの迫力だ。アニッシュ・カプーアに白黒作品があるのは知らなかった。
・イギリス系画廊、Chinese Contemporaryでは中国の若手建築家達によるグループ展。建築の展覧会ではなく、アートワーク。MADの馬岩松[Ma YanSong:ここに何度か登場している早野氏のパートナー]は虹のようなオプティカル・インスタレーション(なぜか休止中)、主題工作室の王永剛[Wang YongGuan]は溶岩を切り出したような彫刻。中でも面白かったのは、朱ロンによる絵[一部]。OMAによるCCTV、アンドルーによる大劇院、PTWのウォーターキューブ、H&Mのオリンピックスタジアムが、中国風の食卓に並んでいる。外国人建築家が主要プロジェクトを手がけている現状に対する皮肉。
・Paris-Tokyo Photo GalleryではAniu & Cyrus Cornut "Urban Oceans"とLiu Ren "Someday Somewhere"が。前者は西洋人から見た中国の都市風景スナップ。あまり新鮮さはない。作者は建築畑出身の人だそうで、同業者の視点から取られたものだからだろうか。後者はやなぎみわのエレベーターガールシリーズ風のセルフ・フォト・コラージュ。後者の作品が沢山売れていた。こういった作品は、自己愛や変身願望のストレートな発露が特徴なんだろうが、この作家の場合はちょっと違う。コラージュの背景も、本人の容姿も、異様にリアリティーがある(意味は察して欲しい)のだ。何も特別ではないものが組み合わさって特別になる。狙ってやっているのか。2年前に中央美術学院を修了した作家だそうだから、25歳くらいなんだろう。
・東京画廊/BTAPでは「玩画廊」展。中国語では、シニカル・リアリズムは「玩世」と略される。「世間をモテアソぶ」というような意味で、それをモジって画廊版にしたということのようだ。日本の現代美術の浮遊感と共通するものがあり、親和性が高いと思う。Beijing-Tokyo Art Projectを謳う画廊に相応しい展覧会。
・北京で一番古い写真ギャラリーと言われる798 Photo Gallery(でもまだオープンして3年程度だろう)。 一昔までは発表できなかったような政治的な作品を扱う。ショーウィンドーの中の翁乃強[Weng NaiQiang]の文革ドキュメント写真にいつも見入ってしまう。ハッセルブラッドの正方形フレームの中に捕らえられた完璧な構図。凄い。欲しいけど、2メートル角はデカすぎる。
ここんとこの気候
- March 12, 2007 10:07 PM
- china
中国を訪れる人たちは必ずと言っていいほど、「どう?北京は寒い?」と聞いてくる。北京の春は特に気候の変動が激しいため、返答に窮することが多い。特に先週は凄かった。ちょっと書き出してみよう。

3月4日は暦上、元宵節と呼ばれる日だった。春節は月齢0、つまり新月の日なので、そこから始まって最初の満月の日である。これを祝って「湯園(タンユエン)」と言われる甘味を食べるのが習慣らしい。小さな団子が暖かいシロップに浸かっているもので、味わいが和菓子のようだ。僕も好物。

この日を境に、春節期間中だけ許可されていた花火が禁止になる。街のあちこちに建てられたプレファブの花火店は投売り状態。市民は残った花火を使い切るべくバンバン打ち上げる。部屋から眺めていると、見渡す限り花火が上がっていた。
その夜から、ドンドン風が強くなっていった。おっ?これって春一番?なんて喜んでいたら、町中の看板が壊れまくるくらいの強風になった。身の危険すら感じる。やっと風が止んだかと思えば、今度はミゾレが降り出した…
そして先週は今年一番の冷え込みだった。気温はそれほどでもなかったみたいだが、風が強い。今年が暖冬だっただけに、余計に寒く感じた。
今日はとても暖かかった。気温は10度まで上がった。ついに春が来た。これから一気に夏になる。
中国の飲酒運転
- March 3, 2007 9:43 PM
- china

北京の公道をレッカー車に引かれていく事故パトカー。どうやらどこかに衝突したらしい。中国人にとっても珍しい光景らしく、「東福、写真撮って撮って!」とけしかけられた。

ちょっとカワイイ。
中国のポリスは「公安」と表示しているものが殆どだが、たまに「警察」と表示しているものも見かける。同じ団体なのか、管轄が違うのか、中国人に聞いてもイマイチ判然としないが、中国の警察組織を見る限り、おそらく「警察庁」と「警視庁」くらいの違いなんだろうと思う。
中国の公安の権限は絶大である。日本の警察がやっているような治安維持のほか、消防、刑務所、戸籍管理、外国人登録…等々。管轄が沢山あるという事は汚職の舞台になるような利権が多いという事だ。そこへもってきて中国にはワイロや人脈びいきの伝統が古来から連綿とあるわけで…当然のように、市民の公安に対する信頼は日本に増して希薄である。「治安を守ってくれてありがたい」と賛美するどころか、「彼らも大変な仕事だよなあ」とねぎらう言葉すらついぞ聞いたことがない。
ただ、当局としても、あながち手をコマネいているわけでもなさそうだ。例えば、飲酒運転の罰則規定である。日本を見習ったかどうかは知らないが、去年から突然厳しくなった。その罰則の内容が、ちょいと刺激的だ。
飲酒運転が見つかると、その場で拘束、有無を言わせず刑務所に移送、二週間の拘留となるそうである。次の日、職場に来ないなぁ?と思っていたら、突然刑務所から電話が来ると言う…「でかい、早い、安い」を旨とする中国社会とはいえ、いくらなんでも早すぎだ。一体、どういう法的な手続きを取っているんだろう?(取ってなかったりして…)
話によると、この「早さ」には理由がある。下手に時間を与えると、人脈を頼って揉み消しを図る隙を与える事になり、それが汚職の温床になるというのだ。非常に納得の行く説明。
スピードで汚職防止。まったくもって中国らしい。最近は中国的な状況に慣れてきた自分だったが、「二匹のハエ」以来の衝撃的な話だった。
TYPOLOGIES