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February 2006 Archive

フリースタイル

  • February 25, 2006 11:51 PM
  • china

日本では荒川さんの金メダルフィーバーが巻き起こっているようですが、中国ではフリースタイルスキー:エアリアルが盛り上がっています(例によって周りの中国人たちは冷ややかですが、話の流れ的に盛り上がってることにさせてください)。

エアリアルって、あの、直滑降で滑り降りてほぼ直角に空中へ飛び出し、ギュルンギュルン回って着地するアレです。どうです。中国強そうでしょう。またも素人丸出しで恐縮ですが、雑技団の驚異の出し物に比べれば、あんなのどうってことなさそうですよね。

実際、エアリアルではトランポリンを使って室内でする練習が多いみたいです。冬のオリンピックの中で一番「雑技的」な競技と言っていいんではないかと思います。

もちろんテレビ中継されていました。女子の一回目の跳躍が終わった段階では、1位から3位まで全て中国選手で、このままメダル独占しようかという勢いでした。残念ながら2回目では2人の選手が失敗してしまい、銀メダル一つで終わってしまいましたが…。

一方、男子の中国人選手の方は無事、金メダルを獲っていました。日本と同様、自宅で応援する家族の様子が放映されていましたが、部屋の様子を見るに、都市部の富裕層の家と比べると、決して裕福とは言えない家庭に見えました。下世話な話ですが、息子が金メダルを獲ることで、この家族はかなり良い生活が出来るようになるのでは。こりゃ、ハングリー精神が日本とは天と地の開きがあるよなぁ、勝てるわけないよなぁ…と思いました。

殆んどの競技が終わってテレビを見ていると、オリンピックを題材にしたCMに出演している選手は殆んどメダリストになっている、という事に気がつきました。メダルが確実視されている選手が多い/メダルが獲れるような選手でないと宣伝にならない、等の理由が考えられますが、選手達に土壇場で能力を出し切れる精神力がある、というのも大きいのではと思います。メダルを獲れば生活がガラリと変わる状況下で、緊張なんてしてられませんものね。

「日本選手はもっとハングリー精神を!」なんて無粋な事を言うつもりはありませんし、そもそも、日本のメダル数に拘ってもいません。ただ、そこらへんが中国の強さなのかなぁ、と思った次第です。

スポーツについて何も知らないにもかかわらず、偉そうな事を書いてしまいました。こんなド素人スポーツ評論家(しかも精神論者)を生んでしまうのもオリンピック効果、ということでお赦し下さい。


PS
フィギュアスケート女子シングルで、前の方に出てきた中国の代表選手が、女優のようなルックスでした。日本だったら大騒ぎでしょう。アナウンスで「チャン・イーモウ監督の『初恋の来た道』の女優…」と言っているように聞こえたんですが、中国語のヒアリングには自信がありません。本当のところをご存知の方、お教え下さい。

荒川さん!!金メダルおめでとう!!

  • February 24, 2006 10:29 PM
  • none

…と、いつになくベタなタイトルで行ってみるテスト。


昨日のトリノオリンピック・フィギュアスケートを観た感動について書いていたのですが、パソコンのトラブルで全て吹っ飛んでしまいました。ちょっと凹んでいます。面白かったのになー。逃したネタは大きい…

簡単に書くと…
・中央電視台の中国語放送で観戦しました。
・放送時間の関係で最初の方から見ることに。
・最初の組って、みんなコケたり/音楽に合ってなかったり、結構グサグサなんですね。
・ということは、最後の組の5、6人って本当に凄いんですね。
・でも、最後の方でも、皆バタバタとコケていました。
・その中で荒川さんの演技は完璧でした。すばらしかった!
・ところで。
・昔からこんなにミスが出る競技だったっけ?という疑問
・技術競争がもう限界まで来ているのではないか?という仮定
・そもそも、4回転って音楽に合わない気がするけど。
・完全に素人まるだしの考えなのは分かっているけど。
・そろそろ技術競争はやめて、完成度を競う競技にしたら?
・スピンはスピンで別の競技にしたら?
・とはいえ。
・安藤さんには4回転成功して欲しかった。
・調子悪いのに過度の期待をされて可哀想だった。
・ワダエミ氏デザインのコスチュームはとても可愛かった。
・30男がフィギュアのコスチュームを語るのは気持ち悪いので、このくらいにしておきます。

こう書くとつまらないですね。

事務所開き

i-mad.jpg

昨晩は、友人の早野さんが馬岩松氏と主宰する設計事務所、i-madが事務所を移転したということで、事務所開きパーティーに行って来ました。北京の旧市街にある古い建物を改装した事務所で、広さは250㎡との事ですが、天井が高いため倍近くに感じます。デザイン事務所としては最高の環境と言えるでしょう。パーティスペースとしてもとってもクール。

現在北京でプロジェクトを抱えているヨーロッパの設計事務所の人々が沢山来ていました。Ove Arup北京事務所のディレクターであるマクゴワン氏は、以前は関西空港の仕事をしていたんだそうで、幾つかの日本語を披露してくれました。こういう方たちと話してみて思うのは、北京で活動するデザイナー達はトップクラスになればなるほど、アジアの文化に対して造詣が深いという事です。アジア生活を真にエンジョイしていて「アジアに住むのは嫌だが一発あてるためには仕方がない」的な嫌らしさは感じられません。北京に対してブーブー言っている自分をちょっと反省しなければなりません(まぁ、文句は半分ネタなんだけどね)。

まあともかく、20代の建築家がこのオフィスですからね…日本ではなかなか有り得ない事だと思います。もちろん、中国の建設ブームの力も大きいでしょうが、早野さんらの奮闘あってこそ。いい刺激になりました。

東横イン商法

toyokoinn.jpg

東横イン問題の続き。

いくつかの東横インでは、朝、フロントのすぐ横の小さなスペースでオムスビや飲み物の無料サービスがあります。忙しい朝、朝食をガッツリと食べる気はしないけれども腹に何か入れておきたい、そんなビジネスマンには嬉しいサービスですが、これには裏の理由があります。

ホテルを建てる上では、建築基準法やハートビル法、消防法などの様々な法規の規制を受けることになりますが、その中でも重要なものの一つに旅館業法というのがあります。この法律には、ホテルにはロビーやフロントを作らなければなりませんよ、客室は何㎡以上なければなりませんよ、というような事が定められています。制定は戦後すぐの昭和23年で、東京オリンピックと大阪万博のちょうど中間の昭和45年に大きく改正されています。つまり、戦後の混乱期にホテルの衛生状態や設備のボトムアップを狙って制定され、後の高度成長期に外国人観光客を迎えるにふさわしい近代的ホテルの整備を目的として改正された、と言ってよいでしょう。

旅館業法に基づく認可―ホテルとして営業していいよという許可―は、都道府県知事が行います。この法律のほかにも、各都道府県では地域の事情に合わせて条例を整備しているため、それらのハードルもクリアーする必要があります。そして東京都の場合には、その中に「適当な大きさの食堂を設けること」という部分があるのです。

解説が長くなってしまいましたが、東横インの場合、フロント脇の小さなスペースを「ここは食堂である」という事にしてホテル認可を受ける、というカラクリを使っているそうなんです。食堂であるからには食事を提供しなければなりません。そのためのオムスビ・サービス、というわけ。

40年前ならいざ知らず、現在の東京には飲食店が溢れかえっています。外に美味しいレストランがあるのに、わざわざホテルで食事をとろうと思う人は少なくなっているのではないでしょうか。特に東横インのお客さんには、ホテルは泊まるだけで食事は外でしよう、と考える方が多そうです。ホテル側としても、オペレーションに人件費がかかるレストランを置くぐらいならその分客室を作りたいでしょうし、ユーザーだってレストランは要らないからもっと安くして欲しいと思うでしょう。そんな利害関係から生み出された法的対応のアイディア。当初は「ホテルとはこうあるべきだ」と制定された法律も、時代のニーズにそぐわなくなってきており、そのような規制をかいくぐった所に、事業者とユーザーの両者が喜ぶ答えがあったという事だと思います。

実は、前述の東京都条例の一項は、ラブホテルや性風俗店に対する遠まわしの規制でもあります。ですが、ビジネス客を対象にした「健全な」チープ・ホテルにとっては、なんとかして上手にかいくぐるべき規制であるのではないでしょうか。

これはあくまでも一例で、東横インにはそういったアイディアが散りばめられています。ホテルに与えられたデザインはともかくとして、私は東横インの経営手法には感心していました。

そこにきて先日の建築基準法とハートビル法の違反。おそらく、法の盲点を衝いているうちに、いつしか合法と違法のラインがアイマイになり、エスカレートして行ったのではと推察されます。社長が「法定速度60キロのところを67・8キロで走っても…」というような問題発言をしていましたが、その感覚は本当だったのでしょう。(彼の遵法意識が、普通の人のソレから「とっても」乖離してしまっているのは記者会見での態度を見ても明らかでしたね)

与えられた容積率の中で如何に採算性の高い建物を建てるか。身障者対応を如何にクリアーするか。そんな問題と日々格闘している日本の経営者や設計者をバカにする、ひどいルール違反です。ルールあっての競争ですから、東横インは何らかのパニッシュメントを受けるべきなのは当然です。ですが、前述のような「法の盲点を衝いた新しいサービスを提供する」行為と今回の「ルール違反」は明確に区別されるべきでしょう。法が想定していないところに新しいビジネスが眠っている事も事実であり、新しいビジネスに対するチャレンジ精神が萎縮してしまいかねません。

法律は細かく決まっているようで、実は穴だらけ。穴を全部塞ぐなんてどだい不可能です。結局は経営者と設計者のモラルの問題なんです。

昨今よく言われるコンプライアンスという言葉…日本語では法令遵守と訳されますが、広義には社会道徳を遵守する、という概念も含みます。今後「穴を塞ぐ」ように規制を付け加える動きが出てきそうですが、そんなこと以前に、今回の一件は経営者や設計者のコンプライアンスを醸成する「良いクスリ」になったのではないかな、と思う次第です。

今日は長くなりました…
最後までお付き合いいただき、有難うございました。

写真は東横インの室内。狭いですが、宿泊に必要な全てが揃っています。

ホテル/イン/宿泊所

jinjiang_fandian.jpg

今更ですが、東横イン問題。最近、建築基準法がらみの事件が次から次へと起こっています。一級建築士を名乗れば、ちょっと前までは羨望の眼差しとまでは行かないまでも、感心くらいはしてもらえたのに…今となっては悪の権化のような言われようです。

全国の設計者の名誉のために言わせてもらいます。世の殆んどの設計者は、容積率を超えるなんてことしないから!コスト下げるために鉄筋量を減らすなんて怖いこと考え付きもしないから!ホント、逆の意味でコペルニクス級のスーパーアイディアだから!

…だと、僕は思いますけどね…

東横インが、建築法規に非常にシビアなのは知っていました。僕自身は、むしろこのホテルチェーンの経営姿勢には感心していたくらいで、以前この日記に宿泊体験を書いたこともあります。最近はホテル関係の調べ物をしていた事もあって、この問題が発覚した時には、社長の著書を読んでいた所でした。

この問題については、色々思うところがありますので、近いうちに書こうと思います。


写真は上海の老舗ホテル、錦江飯店。ホテルつながり、ってことで。

爆竹北京

  • February 13, 2006 6:11 AM
  • china

また北京にやってきました。
花火と爆竹の音、火薬の臭いで充満していました。

12日は暦上では春節最後の日なんだそうで、13日から再び禁止になるとか。市民は一気に使い切るべく、バンバン鳴らしています。

マシンガンのような爆竹の音、迫撃砲のような花火の音。市内全域でやっているため、暗騒音のようにズンズンと鳴り続けています。戦場ってこんな感じなのかもしれない、と少々不謹慎な事を考えたり。

原付さんぽ

takanawa_shobo.jpg

先週は中国の旧正月休みでした。思い切って南国に逃避しようかとも思ったのですが、外せない用事がポツポツと入ってしまい、まとまった時間が取れませんでした。結局、少し時間を見つけては東京の美術館や本屋を訪ねてプラプラする…という休みの過ごし方をしました。

原美術館まで行ってきました。道中は三田、高輪といった比較的起伏の激しい所で、自転車で行くのはチトきつい。買ってこのかたコレといった活躍の場がなかったEC-02がようやく日の目を見ました。

綱町三井倶楽部、高輪消防署(写真)、高輪プリンスホテル、旧竹田宮邸などの名建築が随所にあります。さすが元祖山の手・元祖セレブ地区。目的地の原美術館だって元々実業家の豪邸だもんなぁ。

開館5分前にたどり着いたオラファー・エリアソン展。入口にはもう、10人くらいの方が待っていました。なんでも、土日は作品鑑賞に支障が出る程の人出で、会期が延長されたんだそうです。

暗闇に霧を散布して人工的な虹を作り出したり、光をプリズムを通して分解し、それを用いて美しく空間を再構成したり、一室をカメラ・オブスキュラにしたり。ダ・ヴィンチやレオナルドの時代の、「プリミティヴな科学」の現代的な再解釈とでも呼べばいいんでしょうか。子供の頃、はじめて「学研のかがく」に触れた時のような新鮮な感覚がありました。

一方で、そんな「科学」のルーツは、人々を驚かせるための「魔術」や「奇跡」であった訳です。そんな、おどろおどろしい魔術的な雰囲気も同時に感じました。古の為政者が日食や月食を予言することによって人心を掌握した事と、エリアソンがテート・モダンのホールに巨大な人工の太陽を浮かべた作品:「ウェザー・プロジェクト」によってその名声を不動のものにしたという事実は、本質的には同じ事なんじゃないだろうか。そんな事を考えました。

小ぶりですが、いい展覧会だと思います。是非。

メンテ

  • February 8, 2006 12:26 AM
  • news

movabletypeのバージョンアップをしておりました。数時間の間、不具合が起こっていました。書き込みしようとしていた方、ごめんなさい(追記:これを書いた後で、コメントが復活できました)。

最近のネットっつーのは非常に難しくって…このトップページも、右下の黒い部分がどうしても茶色になりません。試行錯誤したものの挫折してそのまま放置…このレイアウトもまだまだなので、いつか時間をみつけて抜本的にやりなおしたいと思っています。

Flickrの方に写真を追加しました。人民大会堂の風景など。高解像度でご覧いただけます。Flickr仲間も募集中。どうぞよろしくです。

オマーは懐メロか

omar.jpg

Omar with Caroll thompson @ bluenote tokyoに行って来ましたwith N氏。トーキンラウド時代の曲を演り始めた瞬間、2人で「オオー!!」と盛り上がり、その次の瞬間、2人で「これがオヤジ化したってことかー」と凹みました。自分が精一杯背伸びしていた頃。青春だったんだなぁ…

しかしこの人、全然変わりませんね。新曲を出しても出しても、曲の構造は15年間一緒。地軸のようです。クリシェと言ってしまえばそれまでですが、観客はその最高のクリシェを聞きに来ているんです。

美声ではないのに何故か心に沁み入るOmarの歌声…最高。ああ、やっと懐メロを愛する気持ちが理解できた…

omar2.jpg

唯一、持って居なかった最新アルバムを買い、サインもらいました。「僕は彼(N氏のこと)とは友達なのに、(サンプルをもらったりせずに)自分で買ったんだぜ!偉いだろ!」と言ったところ、「ありがとう!また来てくれよな」と笑顔で握手してくれました。ジャネット・ケイをプロデュースする大物がですよ?ジャケット写真からは、クールでとっつきにくい人物像を思い描いていたんですが、一気にファンになってしまいました。

3月には、スーパーバイヤーN氏在籍のP-Vineから、ニューアルバムをドロップするとか。日本先行発売になりそうだとか。スティーヴィー・ワンダー参加だとか。楽しみですね。


Best by Far

マイ・アーキテクト

もう一週間ほど前になってしまいましたが、映画「マイ・アーキテクト~ルイス・カーンを探して~」を観に行ってきました。建築家:ルイス・カーンの素顔を、愛人の息子である監督自らが明らかにしていく二時間。

事務所では、半年以上前にボスが入手してきたDVDを事務所で鑑賞したそうですが、僕は中国に居たため観れずじまいでした。そのDVDを借りて観ようかとも思いましたが、劇場だったら日本語字幕付きだし、しかもその字幕は直弟子の香山さんによる監修だし、その会場のQ-AXは北山さん設計だし、しかも杮落としだし…そんなわけで劇場に行く事にしました。

入ってみると、同業者8割、学生(同業者予備軍)1割、なんだかよく分からないけど来ちゃったカルチャー敏感人間さん1割、という雰囲気でした。上映は21:15~の一回だけ。映画館サイドも、やたらと忙しい設計者の生態をよく分かっています。

時折、設計者同士で「好きな建築家は誰ですか」なんて質問し合うことがあります。コルビュジェやライト、ミースなどはメジャー過ぎて、「何を今さら」感が漂ってしまいますし、一番ホットな活躍中の現代建築家を挙げると、「なんだこいつ、単なるミーハーだな」と思われてしまいそう。もし自分が、雑誌にバンバン露出しているような著名建築家であれば何を答えたって「ほほー」と感心してもらえますが、僕のようなビミョーな位置に居る設計者にとっては、こういった質問に答えるのには注意が必要です。

そんな時「カーンです」というのは、なかなか無難な返事だと思っています。作品には静かな美しさが満ちており、饒舌なプロジェクトは少なめ、自身にも経済的/政治的な野心は少なめで、空間やそこに差し込む光など「建築の王道」的な発言を多く残しているカーン。彼の名を挙げることによって、「僕は正統派建築家ですから!」とアピールできる、そんな気分があるんです。

つい最近、カーンの作品集を再読する機会がありました。学生時代以来の事です。勝手に祭り上げられちゃっているところがあるけれども、実は、カッコ悪い作品もあれば、遊び心溢れるキャッチーな仕事もあるんですよね。幾つかの代表作を除くと、非常に人間臭い作品ばかりなんです。

この映画では、聖性すら感じさせる代表作を紹介する一方で、その作風とはまるで逆のメチャクチャな私生活にも焦点を当てています。息子の手によって燻し出されて来たのも「人間臭さ」そのものでした。

人間って、いろんな所でバランスを取っているものなのかもしれません。

建築以外の方が楽しめるかどうかはちょっと分かりませんが…よくできたドキュメンタリーだと思いました。

Louis I. Kahn: Complete Work, 1935-1974

プロジェクトを網羅。スケッチ豊富。ただし白黒。

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