お前の情報ソースはいつも同じだな!と怒られそうですが、おがたさんのブログを読んでいて驚きました。杏里とリーリトナーが結婚するんですって!?(遅い情報?)日本のポップスって、案外有名外タレミュージシャンがバックを勤めていたりするので、そういう繋がりで出会ったんでしょうね。「ANRI、『悲しみが止まらない』のここの部分のコードアレンジはこう変えたほうがいい」「あら素敵ね」なんて。
トラックバックを辿っていくと、このニュースには主にフュージョンファンが過敏に反応しているようです。特に40代の「RIT」をリアルタイムで聴いていた人には、驚きも大きいのでは。「リトナー」と聞いてピンと来ない人に対してこのビッグカップル誕生を説明するために、色々たとえを考えたんですが、良いのが思いつきません…良いのがあったら、是非教えて下さい。
ともかく「悲しみが止まらない・イン・リオ」などの、爽やか西海岸系アレンジを聴かせてもらいたいものです。爽やかじゃ困るか。
さて、今日書こうと思ったのは別のことでした。おがたさんの他のエントリーに、70年代のスィングジャーナルがマイルス・デイヴィスの事を「マイルス・デヴィス」としつこく呼んでいるとありました。僕も、学生時代に行ったバーのマスター、恐らく当時60前後の粋な紳士に昔のジャズシーンの話を聞いていた時の事を思い出しました。「テイク5?そりゃ衝撃だったさ、5拍子でジャズやるんだよ?」などなど、若造にとっては非常に面白い話だったのですが、その話の中で、何度も「デヴィス」(アクセントは「ヴィ」の部分)という発音が登場していたことを。
推測しますと、昔は、一般的にはDavisを「デービス」と発音していたのではないか、そこで「オレは下唇を軽く噛んだ『ヴィ』の発音が出来るぜ!、オレはそこらへんの一般ピープルとは違う粋な奴なんだぜ」という態度表明として、「ヴィ」に強勢が置かれ、その前の「イ」もしくは「ー」がおざなりになったのでは、と思うのです。
「その人のコダワリ態度表明」として、ちょっと変わった発音をすることは良くある現象のようです。例えば、自動車とか。
ベンツ(普通の人)
↓
メルセデス(まあまあ分かってる人、まあまあ主流になってきた印象)
↓
メルツェデス(すんごい分かってる人、殆どドイツ人)
まあ、今はダイムラークライスラーなんですけどね。
ジャガー(普通の人)
↓
ジャグアー(かなり分かっている人、ちょっぴり主流かも)
↓
ジャギュアー(マニア達はどよめく、殆どイギリス人)
「ジャギュアー横田」なんて呼んでいる人が居たら、その人はジャガー横田についてはかなりのエンスージアストでしょうね。
こういった例を見ていると、「原語に出来るだけ近い発音をすること」が目標とされています。通常は、間違った発音から出発して、概ね許せる範囲で定着するようですが、そこからさらに原語に肉薄すると、「コダワリ語」になると思われます。そして、それもいずれは人々の間に定着する運命にあります。
現在は「フランク・ギャンバレ」と表記するギタリストの名前は、昔のレコードの帯には「フランク・ガムバーリ」だとか、果ては「ガンバーレ」なんて書かれていたりします。恐らく、どこかのコダワリ人が「ギャンバレ」と呼び始めて定着したのでしょう。「デヴィス」についても、そういった過渡期の読みなのではないでしょうか。
その定石に反して、完全に間違ったまま定着してしまったのが「ファラオ・サンダース」。どう見ても、「ファロア」の方が正しいと思われます。これは何故でしょうか。ちょっと推理してみました。
Pharoah Sanders=ファラオ・サンダース
Pharaoh=ファラオ(古代エジプトの王様)
似てます。
恐らく、サンダースが日本へ紹介された時には、古代エジプトの王様=ファラオ、というのが定着しており、そういった中でカタカナがあてられたのではないか。また消費者の側も「ファロア」よりも「ファラオ」という語に親しみがあり、すんなり受け入れたのではないか、と推測されるのです(昔は「大エジプト展」があっちこっちでやってましたしね)。
ところで、そんな彼の貴重な音源を配給している会社のN氏が、"John Patitucci"というベーシストの名前を「ジョン・パティツッチ」でも「パティトゥッチ」でもなく、いつも「パティトゥイッチ」と発音しているのが気になります。
つらつらと考えながら書いているうちに長くなってしまった!一時間以上!!きゃー!
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Comments:4
- 辰巳哲也 May 29, 2005 9:02 AM
確かにベテランのミュージシャンの方はマイルスのことをデヴィスっていいますね。in EuropeのMCとか影響してるのかしら?
読みが難しい人の場合は定着するまで右往左往があるようです。マルグリュー.ミラーなんか、初めてきた時「ムルグロー.ミラー」って呼ばれているテープを聞いたことがあります。
あとは業界の方の語感のイメージによる強引な読み替えとかあるかもしれませんね。イリアーニ.エリーアスがイリアーヌだったり、ビル.シャーラップがビル.チャーラップだったり。そんな恣意的なこと、しなくていいのに。こういうので現地で困ったのはメセニー。この発音じゃ絶対通らない。日本語的に書くと向こうでは「ミシーニー(シにアクセント、しかもそのシの発音はth)」ですもん(笑)。- tofuku May 30, 2005 6:52 AM
書き込み、ありがとうございます。
情報源が少なくてそれで固定化してしまった、ということも多そうです。イリアーニのケースは、彼女はブラジル出身ですよね?当初、2つの読み方が混在していた、というようなこともあったりして(ポルトガル語読みだとイリアーヌかどうかは分かりません)。
パットメセニーは「セ」の発音だけ注意すればいいのかと思ってました・・・
- nakura May 31, 2005 12:59 AM
このハナシ、意外と引っぱろうと思えば引っ張れそう。。。
あ、辰巳さん、ご無沙汰しております!
>業界の方の語感のイメージによる強引な読み替えとか
>そんな恣意的なこと何かこういうことは、あるかも知れません、というか、僕的には、あってしかるべきかな、とも思ったりします。日本マーケットで、少しでも売り上げを伸ばすために、少しでも覚えて貰いやすいような表記にするーみたいな。生意気言ってすみません。。。
ただ、パット・メセニーがどうだったかは、わかりませんが。
また、非英語圏のアーティストの場合、必ずしも現地語の発音通りでなくてもいいかも、というのもあります。
僕らノルウェイやイタリア、フランスetcのモノを手がけることも少なくないのですが、そんなとき、必ずしも「そのまんまじゃなくていーよー」みたいに言われることもあるんです。彼ら、英語圏でのギグも多く、そこでは現地語通りというよりも、英語圏での発音で呼ばれる呼び方というのもあったりして、自国以外では、そっちの呼び方の方がしっくりくる、みたいな。
そんなこんなで、実はいつも悩まされるんですよねー。
結局は、アーティスト自身がどう呼ばれるのがいいのか、って所に尽きるのかも知れませんが。
- tofuku May 31, 2005 8:12 AM
>n氏
ファラオ・サンダースもそうだってことですかね?
