- April 2, 2004 12:00 AM
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桜です。春の花、ニッポンの花。
東京は、先週末くらいに満開と言われましたが、高いビルの陰に生えてる桜は開花が遅れているようでした。私の事務所の近くの首都高速の下に生えている桜も、ようやく満開になったかと思いきや、昨日の雨に降られて散り始めました。まだ頑張ってますけど。
桜の花が咲くと、もう、春がやって来たことは疑いようのない事実。コートを着込んでいると滑稽にみえちゃいます。夏は葉に覆われ、秋は落葉し、冬は幹と枝だけになる。樹木に特別な思いを抱いてない人にとっては、そんな「普通の木」から、突然、ピンク色の花が吹き出すわけです。もともと、ふつう、都市風景にはピンク色なんて色はないわけで、そこに「どっ」とショッキング・ピンクがやってくる。他の季節にはない、季節の始まりを告げる一大イヴェントといえるでしょう。
「エロス」と「タナトス」という言葉があります。ユングやフロイト関連の本にしばしば出てくる術語ですが、簡単に言えば、エロスとは「生への欲動」、タナトスとは「死への欲動」のこと。(例によって簡単にしか知りませんので、ツッコまないで下さい…少なくとも性への欲望でないことは確かです)春、新入生、フレッシュ、といったライブな桜のイメージも、裏を返せば、タナトスのイメージを呼び起こします。
有名なのは「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」という梶井基次郎の短編ですね。お花見の席で女の子にこの話をして、「やだー!○○くんってコワーい!」なんて脅かしたり。そういうことやる奴はモテません。僕の事ですが。それと、坂口安吾「桜の森の満開の下」でもタナトス系の桜描写があります。
春は自殺者が急増する時期でもあるようです。就職や受験に失敗した、とか他の理由もあるかもしれませんが、鬱病に苦しんだ経験のある人に聞くと、一斉に芽吹いてくる花や緑や人々の晴れやかな笑顔と自分の心理とを比較してしまい、より絶望に見舞われてしまうんだそうです。エロスに強い光があたると、タナトスにも強い陰が落ちるということでしょうか。
なんか今日のニッキは後味悪くてすみませんが、この時期の花を愛でることが出来る幸せを噛みしめつつ。