作品
VIP碁会所、北京

中国将棋、チェス、碁、ブリッジ、麻雀、などのボードゲーム競技を管轄する政府系組織、中国棋院の貴賓室兼プレイルームのインテリア設計。




中国では、これらボードゲームはスポーツの一つとして認知されており、クライアントである中国棋院も体育局の下部組織になっているほどだ。その感覚はゲームする空間まで及んでいるようで、庶民は道端や公園など、屋外でのゲームを好む傾向があるし、また、今回設計することになった部屋も、天井高が4メートルを超える体育館のような空間だった。中国棋院は、北京オリンピックの直後に行われた「世界知能運動会(ワールド・マインドスポーツ・ゲームズ)」の会場の一つでもあった。大げさに言えば、我々は、「頭脳スポーツのための『鳥の巣』」の設計を依頼されたわけだ。
ゲーム類を空間化するにあたっては、碁盤や将棋の駒をモチーフとして使うのもあるだろうが、あまりやりすぎるとキッチュになってしまうし、第一、どのゲームを題材にするかによって組織内のセクショナリズムに巻き込まれてしまうだろう。そこで、ボードゲームに共通する「ボード」の素材、木を中心に用いる事にした。壁、天井に亘って、ストライプ状に切りわかれた木パネルが捩じれてゆく。その間に張った膜の中には、照明が仕込んである。膜の幅を微妙に調整する事によって、部屋の端から入る僅かな自然光を補完しつつ、室内の各所にボードゲームに最適な均質光ーーすなわち、ここの場合は公園の木陰や胡同の庇の下にも似た光環境、ということーーをもたらす事を目指した。比較的シンプルな設計だが、見る位置によっては、壁/天井が全て光に満たされたり、逆に木パネルに支配されたりし、棋士達の盤上での知的応酬にも似た、バリエーションに富んだ視覚効果を生んでいる。
実施にあたっては、照明、空調、スプリンクラー等の設備関係の管理に注力している。曲面でデザインされた膜天井の光の効果については、モックアップ等を作成して検討した。


模型による光の効果の検討

天井形状のスタディ


現場でのモックアップによる検証

現場打ち合わせの様子
Type: Interior / VIP Lounge
Place: Beijing, China
Area: 380sqm
Period: 2008.03-2008.04 [Design], 2008.04-2008.11 [Construction]
Team: Daisuke Tofuku, Tong Ling, Sun Li, Wang Yaohui [Pan-China], Liu Xiaojuan [Pan-China], Hoshiaki Ishikawa [Equipment]
Construction: CSCEC-TAISEI Construction Ltd.
Photo: Judy Zhou [1-4]